足元の安心を 除染ボランティア奮闘

 東京電力福島第1原発の事故から1年半たった今、雨水などで放射性物質がたまり、部分的に線量が高い「ホットスポット」の存在が福島の住民を悩ませている。「(放射性物質は)足元にあるより、ない方がいい」。福島市内の常円寺の住職、阿部光裕さん(48)は、ボランティアと地域住民の手を借り、通学路を中心に放射線量を測定し、線量の高い側道の土などを集める除染活動を今年1月から開始した。これまでにドラム缶600本以上の汚染土を回収し、自宅敷地内に保管。同地は、正式な「仮置き場」として市から協力要請を受けるなど、行政も動かす広がりを見せている。阿部さんが主宰する市民団体「花に願いを」の除染活動に同行した。 (11日 23:13)

常円寺の敷地内に保管された600本以上のドラム缶

  • 第1種放射線取扱主任者の資格を持つボランティアが発見したホットスポットを調べる阿部さん。地表部分で110マイクロシーベルト以上の高線量を計測した。高い数値はホットスポットから周辺1メートル内の地表部で、山間部の人通りの少ない道だが「バス停に向かう児童が通る道なので早めに処理したい」と阿部さんは話す
  • 活動は側道の計測と汚染土の回収がメーン。計測班は、地表部に3つ、50センチの高さに1つの計4つの線量計を備えた自作の測定装置(左)を使い、地表部で3マイクロシーベルト以上の場所を除染対象として、目印にゼオライトをまく
  • 福島市内の高校の前で、学生や親子連れが通るなか、地表部の汚染した土や木々をとりのぞくボランティア。この日は県外から約30人が参加した
  • 今年1月から、月に数回のペースで行われてきた活動は、60日間を超え、参加した県内外のボランティアものべ約1400人となる。阿部さんは、県外から来たボランティアの宿泊施設として同寺の別棟を提供している。活動を終えたボランティアの最初の仕事は、一日の積算線量の報告だ(写真右上)
  • 地図を手に、活動について議論するボランティア(写真左)。夜にはささやかな交流会も開かれ、福島の復興について活発な話し合いが続けられた
  • 翌日、保管置き場で、回収した汚染土をドラム缶に詰めるボランティア。作業中舞い上がる土を吸い込まないよう、防じんマスクとゴーグルを着ける
  • 「また来ます」と笑顔で常円寺を後にするボランティア。同団体のボランティアのリピーター率は高く、4回以上の参加が7割を超える。阿部さんは「県外のボランティアと、地域住民と、行政が一体となった時、復興のスピードが加速するはず」として、幅広い支援を呼びかけている(10月6日、福島市)=写真 小林健 市民団体「花に願いを」のサイトはhttp://www.hananinegaiwo.jp/