問われる「認知症先進国」の知恵 介護、近づく限界点

認知症対策を強化する政府の新しい大綱が決まった。「誰もがなりうる」として「共生」に加え、初めて「予防」も目標に掲げた。長寿社会を実現した結果、認知症の有病率が世界で最も高い"先進国"となった日本。認知症と生きる知恵の模索が続いている。 (9日 11:57)

東京都府中市の男性(87)の妻(82)は、1年半前に認知症と診断された=小高顕撮影

  • 男性(左)の妻(中)は目を離すとすぐ家からいなくなってしまう。特別養護老人ホームの入所を申し込んだが断られ続けて、長男と在宅介護が続く
  • 妻が昼夜を問わず、さまよい始めたのは5年前。約20キロ離れた川崎市内で見つかったこともある。夕方になると「そろそろ外に出たい時間が来るはずだ」と男性はつぶやいた
  • 徘徊(はいかい)しないように外出を止めると妻は大騒ぎする。「自由にさせたいけど、ずっとそばにいるのは難しい。答えはないんだよなぁ」と男性は力の無い声で話した