福島第1原発事故11年 空から見た爪痕と再生(写真特集)

 東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故から11年を迎えるのを前に、3月上旬、福島第1原発が立地する福島県双葉、大熊町などをヘリコプターで取材した。空から見ると、原発事故対応に使われ、放射能汚染で使い道と行き場を失った無数の車両など、事故が深く刻んだ傷が癒えることなく残っていた。一方、全町避難が続く双葉町では帰還に向け住宅整備などが急ピッチで進む。帰還意向調査に「帰らない」と答えた町民が6割に達する厳しい現実のなか、町は再生の道を一歩ずつ歩んでいる。 (10日 12:00)

福島第1原発敷地内の北側に乗用車、消防車、ポンプ車、重機などさまざまな車がすし詰め状態で並ぶ様子に、思わず望遠レンズを向けた。東電によると台数は約1200。事故対応のため原発構内の専用車両として使われてきたが、放射能汚染の可能性があるため構外に持ち出せず、現在は使用されていない(4日、福島県双葉町)

  • 中間貯蔵施設の敷地内にある住宅街。一見すると建物に大きな損傷はなさそうだが、人の手が入らずに伸びるばかりの草木で庭などが荒れている(5日、福島県大熊町)
  • 帰還困難区域では、家屋解体後の更地が目立つ(5日、福島県大熊町)
  • 原発事故の影響で休耕した田んぼに建設された大規模太陽光発電施設。広大な面積のソーラーパネルが小さなお墓を避けるように設置され、そこだけは以前の風景を残しているようだった(5日、福島県浪江町)
  • 6月にも住民帰還が始まる福島県双葉町のJR双葉駅周辺。常磐線の線路を境に、帰還町民向けの公営住宅の建設が進む西側(左)と、建物解体後の更地が目立つ東側と、対照的な光景が広がる。2021年に復興庁などが町民に行った帰還意向調査で「戻りたい」と答えたのは1割だった(4日)
  • 2019年に住民の帰還が始まった福島県大熊町の大川原地区。災害公営住宅や診療所などが並ぶ。3月1日時点で、全町民のうち4パーセント弱の約370人が町内に帰還して暮らしている(5日)
  • 福島第1原発敷地内に並ぶ処理水の貯蔵タンク。約1000基のタンクは2023年春ごろに満杯になる、と東電は試算している(5日)
  • 青い太平洋に面する福島第1原発。東電は2023年春ごろに処理水の海洋放出を予定している(5日)=宮崎瑞穂撮影

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