フォトジャーナリストが託したカメラ 見つめた震災[有料会員限定]

 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区で、新しい街が姿を現しつつある。閖上で生まれ育った特別支援学校教員の高橋幸二さん(33)は家族4人で暮らすマイホームを建てている。地区はかさ上げされ、愛着ある景色は失われた。米国人フォトジャーナリストから託された一眼レフカメラを手に、故郷の姿を捉えてきた。街の姿は変わっても、「風の匂いは変わらない」と帰郷の日を待つ。  閖上地区にある日和山から、高橋さんは一帯を見回した。標高約6メートルの小さな山のふもとは、かつては児童公園だった。「子どものころはよく遊んだんですけどね」。現在はトラックや重機が行き交い、黄土色の砂煙が上がる。 … (6日 2:00)

日和山から一眼レフカメラを構える高橋幸二さん。一帯は震災メモリアル公園として整備されている。変わる故郷の様子を記録にとどめる(2月21日、宮城県名取市の閖上地区)

  • ジェイク・プライスさんから送られた手紙と一眼レフカメラ。「津波で多くの写真が失われた。新しい写真を未来へ受け継いでほしい」との願いが込められている(2月23日、宮城県岩沼市の高橋さん自宅で)
  • 2018年夏に彩さんの両親の家で撮影した記念写真。後列右端が高橋さん、前列左から2人目がジェイク・プライスさん(高橋さん提供)
  • 名取川の土手に植わるクロマツ並木「あんどん松」。夕闇が迫る空にシルエットが浮かぶ。高橋さんは、津波に流される家から逃れた船の上で、松並木を見つめた(2月23日)
  • 高橋さんが撮りためた写真。津波に襲われた閖上で、精いっぱい咲く花やわずかに残った街の面影を見つめた(2月22日、宮城県岩沼市)
  • かつての閖上中学校のグラウンドに咲くネジバナ。野球部の部活動で高橋さんがライトを守っているときに見つけた思い出の花だ(高橋さん撮影)
  • 災害公営住宅から見た閖上地区の街並み。地区には震災前、約5千人が生活していた。現在、住んでいるのは約千人ほど。多くの住民が戻らなかった。名取市によると、宅地販売をすると抽選の末に完売する人気で、新しい住民が増えていく見込みだ(2月23日)
  • 建設中の家の前で写真に納まる(右から)高橋幸二さん、長女の彩夏ちゃん、長男の幸佑君、妻の彩さん(2月23日、宮城県名取市の閖上地区)

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