盛り土造成地ハザードマップ、地震崩落対策へ一歩 久保田 啓介 科学&新技術 編集委員 8月14日 谷や傾斜地を埋めた「盛り土造成地」について、国土交通省が全国約5万1千カ所のハザードマップを公表した。一部の造成地は地震の揺れで崩落や液状化の危険があるが、対策が遅れ、都市の「隠れた災害リスク」とされてきた。民有地が多く調査や工事には課題が山積するが、情報公開は対策の一歩になる。 盛り土造成地はかつての谷や沢を埋めたり、傾斜した地盤に土を盛ったりした造成地。国交省が全国の市町村に3千平方メートル 盛り土造成地ハザードマップ、地震崩落対策へ一歩
豪雨災害にどう向き合う(複眼) 久保田 啓介 斉藤 徹弥 時論・創論・複眼 7月16日 今年も豪雨が日本列島を襲った。2018年の西日本豪雨、19年の台風19号(東日本台風)と毎年のように続く災害は、多くの人がリスクが高い場所に住む日本の危うさを浮き彫りにした。危険を顧みずに開発が進んだ現実もある。まちづくりや減災をどう進めるべきか。各分野の専門家に聞いた。 ◇ ◇ ◇ ■移転後の将来像示して 日本大学教授 大沢昌玄氏 川に面した地域の土地利用は、かつては堤防などの防御施設で守られるこ 豪雨災害にどう向き合う(複眼)
「斜面」の近現代史辿る試み 日経読書面今週の5冊 6月23日 毎週土曜日付の日本経済新聞の読書面で、評者の署名入り書評を掲載した本を紹介します。書評は日経電子版で読むことができます。 ◇ ◇ ◇ 宅地の防災学 釜井俊孝著 >>日経電子版で書評を読む 「「斜面」の近現代史辿る試み」 ランスへの帰郷 ディディエ・エリボン著 >>日経電子版で書評を読む 「平等の国で差別を生きぬ 「斜面」の近現代史辿る試み 日経読書面今週の5冊
宅地の防災学 釜井俊孝著 読書 6月20日 国土の約7割を山地が占め、そこから流れ下る無数の河川が谷と扇状地を作る日本列島。その歴史には水害や地震による「崩れ」と人との抜き差しならない関係が埋め込まれている。私たちが目にする里山や都市の風景もまた、日本人と自然のそうしたせめぎ合いが反映されたものだ。 都市における「斜面」の近現代史を描く本書は、いまを生きる私たちにとって、その現実的な意味を理解させてくれる一冊だろう。日本では明治維新による 宅地の防災学 釜井俊孝著
古代歴史文化賞大賞に「『古今和歌集』の創造力」 文化往来 11月25日 古代の歴史・文化に関する書籍を顕彰する第7回古代歴史文化賞の大賞に、鈴木宏子・千葉大学教授の「『古今和歌集』の創造力」(NHK出版)が選ばれた。同賞は三重県、奈良県、和歌山県、島根県、宮崎県という5県が主催するもので、学術的基盤に立ちながら一般向けに分かりやすく書かれた書籍を表彰することで、古代の歴史・文化に親しんでもらうことを目的としている。昨年「儀式でうたうやまと歌」で大賞に選ばれた日本語学 古代歴史文化賞大賞に「『古今和歌集』の創造力」
水を甘くみた盛り土が凶器に 斜面崩れ民家襲う 住建・不動産 コラム(テクノロジー) 科学&新技術 1月8日 崩れない盛り土を造るために最も重要なことは、水の影響をよく見極めることだ。対策を誤れば崩壊し、周囲に多大な被害を及ぼす。2017年10月に和歌山県紀の川市の斜面が豪雨で崩れ、土砂が民家を襲った事故は、斜面上に盛り土をして造った農道が原因だった。この事故で斜面下の住宅など4棟が被害を受け、男性1人が死亡した。事前のボーリング調査で地下水は無いと判断し、水の影響をあまり考慮していなかった。 ■盛り土無 水を甘くみた盛り土が凶器に 斜面崩れ民家襲う
土砂災害、前兆に注意 落石や地鳴り「早めの避難を」 4月13日 大分県中津市で発生した山崩れは、崩落が起きてから瞬く間に麓の住宅を襲ったとみられ、土砂災害の危険性を改めて浮き彫りにした。国内には土砂災害の恐れがある地域が数多くある。被害を最小限に抑えるために必要な手立ては何か。専門家は「前兆を見逃さず、一刻も早く避難する意識が大切だ」と強調する。 幅約200メートル、高さ約100メートルにわたり裏山が崩れた今回の災害現場。発生の数日前、裏山から石が転がるよう 土砂災害、前兆に注意 落石や地鳴り「早めの避難を」
聚楽第に大規模な外堀 京大など、表面波探査で確認 3月12日 豊臣秀吉が京都に築いた城郭兼邸宅「聚楽第」跡で大規模な外堀の跡が確認され、面積が従来の推定より約6割も大きかったことが分かったと、京都大防災研究所や京都府教育委員会などの研究チームが12日までに発表した。人工的な地震波と地震計で地中に眠る遺構を発掘せずに探る新手法を駆使した。考古学への本格的応用は初という。 地面を木づちでたたいて地震波の一種「表面波」を発生させ、地震計で観測。地盤が強固な部分で 聚楽第に大規模な外堀 京大など、表面波探査で確認
「盛り土」住宅地で地滑り、京大調査 仙台、余震で被害拡大も 4月15日 東日本大震災で強い揺れに見舞われた仙台市内で、斜面や谷を土砂で埋めた「盛り土」で造成した住宅地に地滑りが発生し、大きな被害が出ている。京都大防災研究所の調査で分かった。仙台市は余震や降雨による2次被害の恐れがあるとして緊急調査に乗り出した。 仙台市内では震度5を観測した1978年の宮城県沖地震の際も盛り土の住宅地の一部で地滑りが発生、都市型の被害として指摘された。被害が大きかった太白区緑ケ丘地区 「盛り土」住宅地で地滑り、京大調査 仙台、余震で被害拡大も