藤倉大さん、一柳慧さん受賞 尾高賞 2月17日 第70回尾高賞(NHK交響楽団主催)は17日までに、藤倉大さん(45)作曲の「尺八協奏曲」と、昨年89歳で亡くなった一柳慧さん作曲の「ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲」に決まった。 藤倉さんは大阪府生まれ。ザルツブルク音楽祭など国際的な委嘱作品を多く手がける。受賞作は2022年4月、フランスでレミ・デュリュ指揮によって初演された。 一柳さんは神戸市生まれ。米国を代表する前衛音楽の作曲家、ジ 藤倉大さん、一柳慧さん受賞 尾高賞
クリエーティブの火を探す 作曲家・藤倉大氏 コロナ禍の思想 カバーストーリー 1月27日 人間は強い。パンデミックという最悪の境遇でも、進むことができる。 「大ちゃんさ、Zoomのための曲って書けないの?」。同世代で仲がいい指揮者の山田和樹君から電話がきたのは、一昨年の4月だった。 そのころオンラインで演奏家がつながり、画面上でシンフォニーを合奏する動きがあった。でも通信の時差で音がズレてしまい、完璧な演奏はのぞめない。待てよ、ズレを前提とした曲って作れないか? その晩、お風呂の中で クリエーティブの火を探す 作曲家・藤倉大氏
現代音楽の祭典「ボンクリ・フェス」 風通し良い好奇心 アートレビュー 10月13日 東京芸術劇場を舞台とする、今年で5回目を迎える複合イベントのスペシャル・コンサートを見た。"ボンクリ"という不思議な名称は、〈ボーン・クリエイティブ〉の略で、そのディレクターには英国在住の現代音楽作曲家の藤倉大が就いている。 2部制のもと、2時間で9つのプログラムが送り出された。笙(しょう)の東野珠実、そして箏(こと)の八木美知依がそれぞれの楽曲のもと和楽器群演奏を新たな大地に着地させようとする 現代音楽の祭典「ボンクリ・フェス」 風通し良い好奇心
和楽器プレーヤー縦横無尽 時空を越えて活躍 カバーストーリー 9月27日 箏(こと)や三味線といった和楽器のプレーヤーたちが縦横無尽な活躍をみせている。「日本と西洋」「古典と現代」といった壁を、自然体で軽々と飛び越えている。 7月、読売日本交響楽団の主催公演に登場したのは箏の新星、LEO(今野玲央)だ。演奏したのは英国在住の作曲家・藤倉大に個人で委嘱した協奏曲。4月に無観客で収録していたが、常任指揮者セバスティアン・ヴァイグレの指揮で聴衆に初披露。妙技でクラシック音楽 和楽器プレーヤー縦横無尽 時空を越えて活躍
モーツァルトを想像して… 福川伸陽らホルン協奏曲全集 文化往来 9月7日 日本を代表するホルン奏者の福川伸陽が、モーツァルトのホルン協奏曲全曲を収めたアルバム「モーツァルト・ホルン協奏曲全集」を発表した。親友の鈴木優人がチェンバロを弾きつつ特別編成のオーケストラを指揮。カデンツァ(即興的な独奏部分)は鈴木のほか、藤倉大、挾間美帆という注目の作曲家が書いた。「それぞれがカラーを出して作ってくれた。めちゃくちゃ楽しい」と福川。モーツァルト時代の親密な音楽の空間を、今に再現 モーツァルトを想像して… 福川伸陽らホルン協奏曲全集
有料配信ライブの可能性開く コロナ禍、作品にも昇華 カバーストーリー 12月9日 新型コロナウイルスの影響で春以降、多くの公演や音楽祭が中止、延期を余儀なくされた。音楽家は人前で演奏できず、人と一緒にレコーディングも合同練習もできない状況に追い込まれた。 そんな中で、びわ湖ホールが3月に無観客で上演したオペラ「神々の黄昏(たそがれ)」を無料配信し、延べ41万人が視聴した。さらにシンガー・ソングライターの星野源が4月初旬に自宅からSNS(交流サイト)で新曲「うちで踊ろう」を発表 有料配信ライブの可能性開く コロナ禍、作品にも昇華
小菅優、4年がかりのリサイタル完結へ 文化往来 11月10日 ピアニストの小菅優が4年がかりのピアノリサイタルシリーズ「Four Elements(四元素)」を完結させる。名曲をただ並べるのではなく、曲の背景にある物語や作曲家の同時代との交わりを意識して選曲することで、「人間とは何か」というテーマに迫る。 毎年、水・火・風・地の四元素から1つを選んでモチーフを決め、小菅が選曲してきた。今年は「大地」。土から発芽したり、遺体が土にかえったり、故郷が土地と分か 小菅優、4年がかりのリサイタル完結へ
クラシック界 コロナ禍から生まれた新表現 カバーストーリー 10月11日 収束の見えないコロナ禍によって、コンサートの観客や演奏者には依然様々な制約が課されている。だが、その不自由さを逆手に取って、クラシックの奏者らが新たな表現を試みている。 ステージ上にはバイオリンや尺八といった多彩な楽器の奏者が立ち、ゆっくりと音を出していく。そこに子どもたちが加わり、紙をパタパタさせたり、鈴を鳴らしたりして響きに厚みを加える。聴いたことのない新鮮なアンサンブルだ。 9月26日、東 クラシック界 コロナ禍から生まれた新表現
被爆ピアノの物語紡ぐ 広響「Akiko's Piano」 アートレビュー 8月21日 広島交響楽団による「平和の夕べ」コンサート。深甚な思いで胸が張り裂けそうになった。いったい、いつどのように人の心の隙間に悪魔が忍び込み、人々の間、国と国の間を引き裂いていったのだろうか(5日、広島市の広島文化学園HBGホール)。 新型コロナ禍で当初のプログラムを変更。藤倉大のピアノ協奏曲第4番「Akiko's Piano」の世界初演に来日予定だったアルゲリッチに代わり、広島出身の萩原麻未が明子 被爆ピアノの物語紡ぐ 広響「Akiko's Piano」
劇場音響の魔術師、上質の音を聴かせるための技法 カバーストーリー 11月1日 私は音楽や演劇など舞台芸術作品を上演する東京・池袋の東京芸術劇場で「トーン・マイスター」と呼ばれる仕事をしている。多くの方が聴き慣れない言葉に戸惑うだろう。劇場の音についての業務を統括するプロデューサーと、出演者の求める理想の音を実現させるための音響技術者を兼ねた存在といえる。 9月28日、人気作曲家・藤倉大さんがプロデュースする現代作曲家の音楽の音楽祭「ボンクリ・フェスティバル」が芸劇で開かれ 劇場音響の魔術師、上質の音を聴かせるための技法