「平成美術」展、バブルと災害 社会を再考 関西タイムライン 京都 関西 大阪 兵庫 2月26日 「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989-2019」が京都市京セラ美術館で開催中だ。美術評論家の椹木野衣が企画・監修し、バブル(うたかた)経済とその崩壊、相次ぐ自然災害を軸に、様々な形で共同制作された作品が集められた。全14組のうち5組の作家が関西から参加。作品と社会の関係のはざまに平成という時代が浮かび上がってくる。 高揚と沈静が交錯 展示は10年ごとの3章に見立てて構成。重点的に関西の作 「平成美術」展、バブルと災害 社会を再考
バブル崩壊と相次ぐ災害「うたかたと瓦礫」の平成美術 カバーストーリー 2月13日 30年余りに及んだ平成年間の美術を振り返る「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019」展が京都市京セラ美術館で開かれている。長い停滞期をもたらしたバブル(うたかた)経済の破綻、阪神大震災や東日本大震災をはじめ災害が多発した時代の空気は、アート表現に何をもたらしたのか。 企画・監修を務めたのは美術評論家の椹木野衣。東日本大震災後に執筆した自著「震美術論」をもとに構想したという。日本で バブル崩壊と相次ぐ災害「うたかたと瓦礫」の平成美術
現代アートに挑む老舗美術館 思考促す作品、観客刺激 カバーストーリー 4月4日 老舗美術館が相次ぎ、現代美術の展示を拡充している。専用の展示室を新設し、専門の学芸員を配備する。人気が高まっている現代美術を取り入れ、来場者の裾野を広げる考えだ。 ◇ 大規模改装し、11日に開館する京都市京セラ美術館。本館に隣接していた収蔵庫が、新たに面積約1000平方メートルの現代美術の展示館「東山キューブ」に生まれ変わった。天井の高さは約5メートル。広々とした空間は、現代美術に欠かせない大がか 現代アートに挑む老舗美術館 思考促す作品、観客刺激
2020年3月開館の京セラ美術館がラインアップ発表 文化往来 9月12日 2020年3月21日にリニューアル・オープンする京都市京セラ美術館(旧・京都市美術館)が開館後1年間のラインアップを発表した。本館では江戸期から現代までの京都の美術をたどる「京都の美術250年の夢」展、新設する新館「東山キューブ」は現代美術家の個展「杉本博司 瑠璃の浄土」展を開催する。コレクションルーム(常設展示室)も新設し、京都画壇の日本画を中心とする収蔵品の中から、季節に合った名品を年4回展 2020年3月開館の京セラ美術館がラインアップ発表
妖しさ放つ放浪の画家 カバーストーリー 2月28日 温泉と芸術の熱気につつまれる大分県で25年前、主婦だった私は突如、私設美術館の館長になった。湯布院で没した放浪の詩人画家、佐藤渓(1918~60年)の作品を継承し、多くの人に知ってもらいたいと思い立ったのがきっかけだ。 ○ ○ ○ 戦後2度の列島縦断 戦後、2度にわたって北海道から沖縄までを旅し、詩情あふれる絵や、素直で素朴な詩を残した渓に魅力を感じた。 私は東京で育ち、20代で別府市に嫁いだ。小 妖しさ放つ放浪の画家
震美術論 椹木野衣著 批評 11月11日 人は風土・文化・習慣と無縁ではありえず、表現者であればなおのこと、地球上のどこで制作しているかが重要になるが、その場所がどういう地質的条件下にあるかを問題にしているところが、本書の特異な点である。 西欧諸国は地震のない地盤のしっかりした土地にのっている。西欧文明はその盤石な地質を暗黙の条件にして開花し、発展してきた。だが、日本はそうではない。足下(あしもと)が絶えず揺らぎ、崩れ、土壌が流れ去る、 震美術論 椹木野衣著
削られ続ける秩父「神の山」武甲山に向き合う芸術家 10月1日 東京都心から西武線に乗って秩父に向かう。トンネルをくぐり、1つ手前の横瀬駅のあたりに差し掛かると、突如巨大な山塊に出迎えられる。石灰岩の採掘で削り取られた頂は、まるでピラミッド。秩父で古来、「神の山」とあがめられてきた武甲山だ。 秩父出身でアンデス音楽を得意とするギタリスト・笹久保伸さんが、武甲山を題材に初めての写真集を出した。「秩父の象徴が毎日採掘で爆破され、削られる。地元の人は『嫌だ』と思っ 削られ続ける秩父「神の山」武甲山に向き合う芸術家