投手大谷の伸びしろ 今季初先発から見えたもの 拝啓 ベーブ・ルース様 コラム MLB 4月12日 3月半ばのことである。大谷翔平(エンゼルス)のオープン戦登板翌日、今度はダルビッシュ有(パドレス)の先発を取材したが、連続して2人を見たことで、その差を実感。必死にアウトを重ねる大谷とは対照的に、ダルビッシュのピッチングは無駄がそぎ落とされていた。 当然ではある。投手としての経験もさることながら、大谷はまだ、故障からようやく復帰し、実戦経験を重ねている段階。片やダルビッシュは、ここにきて円熟味が 投手大谷の伸びしろ 今季初先発から見えたもの
「1番・ピッチャー、大谷」の伏線 導かれた力の解放 拝啓 ベーブ・ルース様 コラム MLB 3月29日 大谷翔平(エンゼルス)が登板予定だった3月21日、チーム広報から事前に送られてきたラインアップには、投手のところに大谷の名前がなかった。下から上へたどっていくと、1番のところに大谷の名。きょうは打者での出場に変更されたのかと思いきや、ポジションの欄に「1」と記されていた。 「1番・ピッチャー、大谷」は、予告もなくそうして現実となったのである。 ウオームアップもそこそこに… 敵地での「1番・ピッチ 「1番・ピッチャー、大谷」の伏線 導かれた力の解放
二極化がすすむ大リーグ、格差から生まれる創造力 メジャーリポート コラム MLB 2月15日 1997〜98年ごろ、アメリカでは水よりガソリンの方が安かった。もちろん、税金の関係で州などによって価格は異なるが、当時住んでいたインディアナ州では、1㌎(約3.8㍑)あたり約80㌣(約100円。当時のレート1㌦=約125円で計算)。水が1㌎90㌣〜1㌦だった。 1999〜2000年ごろ、取材でサンフランシスコを訪れると、ガソリンの値段が1㌎2㌦を超えていた。スタンドを通り過ぎるときに思わず二度 二極化がすすむ大リーグ、格差から生まれる創造力
「野球は素人、データ分析は名人」が指導者の主流に? メジャーリポート コラム MLB 1月18日 北米には「Tボール」と呼ばれる、野球の入門的な遊びがある。主に小学校に入る前の子供たちのレクリエーションで、バッティングティーの上に置いたボールを打つことでゲームが始まる。常にボールが飛び交うので、突っ立っているだけの子供がいない。彼らはそうして野球のルールや楽しさを学んでいく。 2018年12月、そのTボールの経験しかないジョナサン・アーリッチマン氏がレイズのコーチとしてユニホームを着ることに 「野球は素人、データ分析は名人」が指導者の主流に?
大谷、投打とも試行錯誤の2020年 言葉で振り返る今季 拝啓 ベーブ・ルース様 MLB コラム 12月7日 前進か、後退か。 本格的な二刀流復帰が期待された大谷翔平(エンゼルス)の2020年だったが、投手としての出場はわずか2試合で幕を閉じ、打者としても結果を残すことができなかった。 「その分、伸びしろがあるのかなと思っている」と大谷はプラスに捉えるが、「体への負担が大きすぎる。どちらかに絞るべきでは?」という声が聞こえてきたことも確か。この結果を、そうした声を大谷はどう受け止め、来季を見据えているの 大谷、投打とも試行錯誤の2020年 言葉で振り返る今季
データと向き合う サイ・ヤング賞候補の取り組み メジャーリポート 11月9日 現地11日に今年のサイ・ヤング賞投手が発表される。ア・リーグは、前田健太(ツインズ)もファイナリストの3人に入ったが、勝利数、奪三振、防御率のいわゆる投手三冠を獲得したシェーン・ビーバー(インディアンズ)の圧勝が予想されている。 一方、ナ・リーグはまれに見る混戦。トレバー・バウアー(レッズ)、ダルビッシュ有(カブス)、ジェイコブ・デグロム(メッツ)の3人がファイナリストとして残ったが、実質的には データと向き合う サイ・ヤング賞候補の取り組み
変則シーズンの難しさ 大谷とメンドーサライン 拝啓 ベーブ・ルース様 9月14日 大リーグには「メンドーサライン」という言葉がある。その語源はおよそ40年前まで遡る。 1979年、それまでパイレーツで内野の守備固めなどで起用される程度の選手だったマリオ・メンドーサは、その2年前に誕生したばかりのマリナーズにトレードされると、選手層の薄さもあって、ショートのレギュラーに抜擢(ばってき)された。 守備に関しては評判通り。その年、遊撃手としてア・リーグのゴールドグラブを受賞したリッ 変則シーズンの難しさ 大谷とメンドーサライン
今季投手断念の大谷、打撃が前腕負傷に与える影響は 拝啓 ベーブ・ルース様 8月17日 乾いた音が無観客のTモバイル・パークにとどろく。屋根が閉まっていたため、その音はいっそう球場内に反響し、高く上がった打球はややスライスしながらレフトフェンスを越えていく。2日の登板後に右ひじに違和感を覚え、試合後、MRI(磁気共鳴画像法)検査を受けると、右前腕屈筋群に損傷(※)が見つかった大谷翔平(エンゼルス)だったが、打者としてマリナーズ戦で復帰すると、最初の一振りで左方向へ会心の一撃。それは 今季投手断念の大谷、打撃が前腕負傷に与える影響は
大谷、2試合12四死球も 垣間見えた進化の兆し 拝啓 ベーブ・ルース様 7月20日 二刀流としての復帰が秒読みとなった大谷翔平(エンゼルス)。2018年9月2日以来、674日ぶりとなった7日の復帰登板ではアンソニー・レンドーン、アルベルト・プホルスら主力組が相手だったが、術後2度目の登板となった13日は、一転して若手中心で編成されたチームを相手に投げた。 「ちょっと、投げにくそうだったから」 復帰初戦で7四球と荒れた一因をそう分析したミッキー・キャロウェー投手コーチ。大谷もそれ 大谷、2試合12四死球も 垣間見えた進化の兆し
適材適所の大リーグ 監督・イチローは誕生するのか イチロー フィールド 6月8日 「監督、絶対、無理っすよ。これは絶対がつきますよ。人望がないですよ、僕」 昨年3月の引退会見。今後を問われたイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐)は、将来監督になる可能性をきっぱり否定した。 「無理っすね。それぐらいの判断能力は備えているので」 望むなら、大リーグ初の日本人監督になることもできるかもしれないが、本人にその気がないよう。 どんな野球をするのか見てみたい気もするがーー。 話は変わるが、 適材適所の大リーグ 監督・イチローは誕生するのか