ワクチン接種はデジタル戦争 国と自治体に手作業の壁 滝田 洋一 Think! 編集委員 3月8日 新型コロナウイルスとの闘いのカギを握るワクチン。優先して接種する65歳以上の高齢者向けの分が、6月末までに全国の自治体に配送できる見通しとなった。 ワクチンはできるだけ迅速に、可能な限り多くの国民への接種が目標。接種作業を円滑に進めるには、いつ誰に何のワクチンを接種したかのデータがカギを握っている。 政府は「接種者管理データベース」を大わらわで構築中。でも自治体とは、システムがうまくつながってい ワクチン接種はデジタル戦争 国と自治体に手作業の壁
ビットコインの逆襲 暗号資産が映すひずみ 藤井 彰夫 3月1日 「世界一の金持ちは?」。米経済誌フォーブスが集計する世界長者番付の変動が目まぐるしい。昨年3月時点で31位だった米電気自動車(EV)テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が、昨年末にはアマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏に次ぐ2位に躍進。1月8日にはベゾス氏も抜いて世界一に躍り出たが、その翌週に再び2位に転落するなど抜きつ抜かれつの首位争いを繰り広げている。 なぜこんなに目 ビットコインの逆襲 暗号資産が映すひずみ
高倉健さんと宮崎淳公園 3.11風化と忘恩の戒め 芹川 洋一 2月22日 あれから10年。間もなく3月11日がやってくる。午後2時46分、どこで何をしていたかは思い出せる。食い入るように見いったテレビの画面。あの夜、泊まった会社の風景。連絡がとだえてやきもきした家族のこと。祖父母や親たちが8月15日の記憶を語っていたのと同じだ。 しかし自らが被災したわけではないので、当時の思いが薄れていくのは率直に認めざるを得ない。 2011年12月、日経と地元紙が共同で開いたシンポ 高倉健さんと宮崎淳公園 3.11風化と忘恩の戒め
コロナ対応の目詰まり防げ 現場直結の行政へ転換を 原田 亮介 2月8日 新型コロナウイルスの流行第3波はピークを越えたが、医療体制の逼迫は続き、政府は東京などの緊急事態宣言を1カ月延長した。光明は今月から段階的に始まるワクチン接種だ。大半の国民を対象とする大事業はうまくいくのか。厚生労働行政を検証し、立て直しの方向を探ろう。 「本当は官邸が方針を出し、我々は実行部隊のはずだったのに厚生労働省が方針も実行部隊も背負わなければいけない状況になってしまった。尾身さんがスポ コロナ対応の目詰まり防げ 現場直結の行政へ転換を
絶望を希望に変える雇用改革 流動化促し変化に備えを 西條 都夫 編集委員 2月1日 新型コロナウイルスの感染拡大で緊迫した状況が続いている。今回はコロナ禍が雇用に及ぼす影響を検証したい。再発令された緊急事態宣言の影響を見極める必要はあるが、2020年初めのコロナ上陸から直近までの労働市場の動向を08年のリーマン・ショックと比較すると、今回の雇用危機の特徴が浮かび上がる。そこから「何をすべきか」の処方箋を導きたい。 コロナ禍で雇用に対する悲観論が一気に高まったのは20年春だ。1回 絶望を希望に変える雇用改革 流動化促し変化に備えを
コロナ治療を阻むのは誰 病院機能強化、知事が前へ 大林 尚 編集委員 1月25日 商売をしているあなたが突然、売れ行き激減に直面したとしよう。打つべき手は。 商品を改良したりサービスの質を高めたりする。値下げする。この2つは離れていった消費者を呼び戻す定石だ。値上げする第三の手もないではないが、その商品・サービスがどうしても必要な人に減収分を転嫁することになる。簡単には採用しにくい。 病気の治療を提供する医療サービス市場で、第三の手がとられようとしている。国の2021年度予算 コロナ治療を阻むのは誰 病院機能強化、知事が前へ
丑つまずくか2021年 命運握るコロナワクチン 滝田 洋一 編集委員 1月18日 2021年は丑(うし)年。過去を振り返っても、丑年は経済や政治が大波乱になっている。今年もまた丑がつまずく年になるのだろうか。 リーマン・ショックが尾を引いた09年。日本はマイナス成長に陥り、総選挙敗北で自民党は下野した。21年の日本もコロナ禍に襲われ、経済が大きく落ち込んでいる。 菅義偉政権の命運を握るのは、衆院議員の任期が満了する10月までに実施される衆院選。その試金石として、4月25日の補 丑つまずくか2021年 命運握るコロナワクチン
さらばプロレス大統領 対立あおり内外に分断 藤井 彰夫 1月11日 2017年1月の就任以来、世界をざわつかせてきたトランプ米大統領。6日には支持者が暴徒化して米議会に乱入、死者を出す異常事態に発展した。閣僚ら政府高官が相次いで辞意を表明、トランプ劇場の終幕が近づいている。この喧騒(けんそう)の4年間は一体何だったのだろうか。 6日の暴動を受けて米ツイッターと米フェイスブックはトランプ氏のアカウントを凍結した。同氏にとって最大の武器を奪われたようなものだろう。閣 さらばプロレス大統領 対立あおり内外に分断
2021年から始まる日本 局面転換はかる「周期」に 芹川 洋一 Think! 1月4日 2021年から先の日本はいったい、どうなっていくのだろうか。20年は新型コロナウイルスの年として歴史に特筆大書されるはずだ。21年はそこから抜け出せるのか、なおコロナをひきずるのかがさしあたりの関心事である。 20年を振りかえれば、コロナによってコペルニクス的転回といった表現が決して誇張ではないくらい世の中が変わった。われわれ自身も行動様式の変容を迫られた。歴史の転換点とはこういう時期をいうに違 2021年から始まる日本 局面転換はかる「周期」に
30年後を考える国にしよう 70代まで働く環境整備を 原田 亮介 Think! 12月28日 2020年がまもなく終わる。コロナ禍の下でひそかに結婚数の減少が進んでいる。21年は出生数の大幅減というもうひとつの「コロナショック」に見舞われる公算が大きい。労働力不足の加速を示す現実は70歳すぎまで働き続ける社会の実現を迫っている。 厚生労働省は毎年末に発表する当年の出生数推計をとりやめた。コロナ禍の影響で推計が困難になっているためだ。前年に「令和婚」で結婚が増えたにもかかわらず、1~10月 30年後を考える国にしよう 70代まで働く環境整備を