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歯周病の原因菌や飲酒習慣 食道がんのリスク因子に

NIKKEI STYLE

日経ヘルス

どんな習慣がアンチエイジングにつながるの? 世界中で進む、"健康"にまつわる研究について、注目の最新結果をご紹介します。今回は、歯周病菌など口の中の菌が食道がんに与える影響についてです。詳しく見ていきましょう。

歯周病の原因となる病原菌が食道がん発症と関連

食道がんは喫煙や飲酒との関連性が深いがんだが、歯周病の原因となる病原菌が食道がんの発症と関連することが、東京医科歯科大学の研究でわかった。食道がんの早期診断につながる可能性がある(Cancer; 電子版Nov. 6, 2020)。

食道などの消化管のがん組織から、口腔(こうくう)内の常在菌のほか、歯周病原菌が検出されることが報告されている。そこで研究グループは食道がんとの関連性を調べた。

食道がんと診断された患者61人(男性47人、女性14人)と、年齢が一致したがんではない男女62人を対象に、唾液と歯茎の下の歯垢(しこう)を採取した。口腔内の7種類の細菌をリアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法で分析した。

食道がん患者とがんではない人を比べた結果、全体として食道がん患者のほうが細菌は多く検出された。食道がんのリスク因子を調べたところ、歯垢の中の「ストレプトコッカス アンギノーサス菌」が検出されると食道がんリスクは約33倍、唾液中の「アグリゲイティバクター アクチノミセテムコミタンス菌」の検出では約6倍、飲酒習慣では約17倍になった。

がんではない人はアグリゲイティバクター アクチノミセテムコミタンス菌の検出率が低かったことから、この細菌が食道がんの診断用バイオマーカーになる可能性があるという。

(文 八倉巻尚子=ライター)

[日経ヘルス2021年4月号記事を再構成]※情報は掲載時点のものです

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