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更年期は閉経の前後5年 食事や運動で不調が軽く

NIKKEI STYLE

日経 X woman

誰にでもやってくる更年期と閉経。体がつらくなるイメージを持っている人がいるかもしれません。でも実は、更年期障害で悩んでいる人はそんなに多くないということが最新のデータで分かりました。

新刊『生理で知っておくべきこと』には、世代ごとの女性の体の悩みを解決する方法が載っています。この本の著者で、予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんに、更年期と閉経について解説してもらいました。

◇  ◇  ◇

日常生活に支障がある人は少ない

あなたは更年期についてどんなイメージを持っていますか。「イライラする」「急に体が熱くなって汗が出る」「なんだかつらそう」というものでしょうか。更年期の症状が出て、病院に行くと、どのような治療をするか知っていますか。

更年期障害がひどい場合には、ホルモン療法や漢方、サプリメントや栄養指導などの治療を行います。ただ、そこまでいかない場合は、治療ではなく、栄養や生活習慣に気をつけることのみが「指導」されて終わりです。日々の行動や栄養を見直して自分で対処します。

実際は更年期障害で病院に行くほど日常生活に支障が出るという人は1割にも満たないというデータがあります(*1)。きちんと生活に気をつけていれば、快適に過ごせます。更年期真っ最中の人はもちろん、それ以外の方も、更年期のことを知るだけで行動も変わります。

(*1)J. Jpn. Acad. Mid., Vol. 14, No. 1, pp. 45-53, 200

ただ、この不調が病気のサインである場合もあります。『生理で知っておくべきこと』に詳しく解説していますが、「これはおかしいから病院に行くべきだ」などと判断できるように正しい知識を身につけることは大切です。

更年期障害は生活習慣でよくなる

先ほど、更年期障害でひどい症状が出る人は、1割にも満たないといいました。

同じ調査によると、更年期の女性のうち、健康な人は約45%、更年期の症状が気になるけれど病院に行くほどではない人は約40%、病院に相談したい、治療したいと思っている人は約9%でした。つまり、85%は病院に行かずに済んでいます(*2)。

(*2)J. Jpn. Acad. Mid., Vol. 14, No. 1, pp. 45-53, 200

「病院に相談したい、治療したい」と思っている9%の人に対する更年期障害の治療法は、減ってきた女性ホルモンを補うホルモン治療だけです。眠れない人には睡眠薬を処方する、不安が強ければ精神安定剤を処方する、疲れがひどければ漢方を処方するなどもありますが、どれも対症療法です。治療を受けながら自分で生活習慣を変えていくことも大切です。

ただ、健康な人が45%と半分以下というのも事実です。「病院に行くほどではない不調」をよくしていくにはどうしたらいいのでしょうか。

答えは、必要な栄養を取るための食生活を送ることと、運動や入浴の習慣などをつけることです。つまり、今のうちから生理痛やPMS(月経前症候群)を軽くできるような生活をしておくと、更年期になっても元気に過ごせる可能性が高いということです。

そもそも更年期とは何だろう

そもそも更年期とは、「幼年期」や「青年期」のような、人生のある一定の時期のことを指します。人によってばらつきがありますが、閉経の前の5年間と、閉経の後の5年間の、計10年間が更年期となります。45歳で閉経した人なら、40~50歳が更年期というわけです。

そして更年期に出る体の不調・症状だから「更年期障害」と呼びます。大変そうな印象がある更年期障害ですが、医師に聞くと、ホルモン治療が必要なほどひどくなる人は実はそう多くありません。

本人の症状が出てつらいという場合にはホルモン治療が必要と判断されます。一方で、ホルモン治療を希望する人は1割にも満たないという調査報告があります(*3)。日常生活に支障が出る場合には、産婦人科医に相談し、漢方やサプリメントなど、自分に合う治療法を見つけましょう。不必要に更年期におびえることはないのです。

(*3)J. Jpn. Acad. Mid., Vol. 14, No. 1, pp. 45-53, 200

閉経は、最後の生理から1年間生理が来なかったら

卵子がなくなれば閉経を迎えます。生理の周期が一定でなくなり、最後の生理から1年間生理が来なかったら閉経です。

日本産科婦人科学会が1995年に実施した調査によると、日本人の閉経の平均年齢は、49.5歳です。45歳未満で自然閉経を迎える女性は約10%いて、56歳までに約90%の女性が閉経を迎えています。

子どもを生んでいる人は、閉経が遅いです。妊娠中と、赤ちゃんにおっぱいをあげている間は、排卵せず生理もないからです。子どもを産んでいなくてずっと排卵があった人と比べると、まだ卵子が残っているからです。

閉経は遅すぎても早すぎてもダメ

日本女性の閉経はおおよそ50歳です。早い人では40代前半、遅い人では50代後半に閉経を迎えます。

閉経は平均年齢で起こることが望ましいですが、閉経が早い場合(48歳未満)と、遅い場合(54歳以降)にはどのようなことがあるのでしょうか。日本女性を対象とした研究では、初経が早いほど、また、閉経が遅いほど乳がんや甲状腺がんなどになりやすいことが分かっています(ただし、出産の経験が多いほど乳がんの発症率は低下します)。

では、閉経が早いほうがいいのかというと、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが早く枯渇してしまうため、骨粗しょう症や動脈硬化などになりやすいことが分かっています。また、40歳未満での自然閉経は「早発閉経」と呼ばれ、医師による治療が必要です。

英国の研究では、血糖値が急上昇しやすい精製された炭水化物(高GI食品)が閉経を早める可能性があり、魚類や大豆が遅らせる可能性があることが分かっています。

さらに、ベジタリアンの女性は、お肉を多く食べる女性より約1年閉経が早いという結果が出ましたが、肉をよく食べる女性でも、ポテトチップスやスナック菓子を多く食べる女性は閉経が早かったことも明らかになっています。

私の閉経はいつ頃?

「私の閉経はいつ頃なのだろう」と気になりますよね。40代に入ってから生理不順が数カ月続いた場合には、更年期に入った可能性があります。さらに、60日以上生理が来なければ閉経移行の後期にあたり、閉経まであと1~3年と考えられています。

生理不順と更年期の症状は、閉経の訪れを告げる一つのサイン。40代後半~50代前半は、子どもの受験や親の介護でも多忙な時期で、仕事も責任のあるポジションに就いていたりします。人生設計のためにも、できればそれよりもっと前に知りたいという人も多いでしょう。

残念ながら、閉経時期を正確に予測できるツールは開発されていません。『生理で知っておくべきこと』では日本女性の生理の調査データを集めました。ここから生理の「平均」を知って、準備をしておきましょう。

生理で知っておくべきこと

著者 : 細川 モモ
出版 : 日経BP
価格 : 1,705 円(税込み)



生理のデータが集まったのは、この本が日本初。2万人調査の最新データを掲載した集大成です。 正しいデータを知るだけでなく、生理痛やPMSを自分で改善する方法を身につけたり、「これは病気かもしれない、病院に行こう」と判断したりできることを目指しました。

細川モモ
予防医療・栄養コンサルタント、一般社団法人ラブテリ代表理事。International Nutrition Supplement Adviser を取得後、09年に日米の専門家チーム「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。母子健康をテーマとした共同研究を複数手がける。14年に三菱地所と共に「まるのうち保健室」を立ち上げ、「働き女子1,000名白書」を発表。以後、全国で開催している保健室で女性のヘルスリテラシー向上と大規模調査を行い、2万人超のデータをメディアや自治体、企業に提供して女性の健康を支える社会環境づくりに取り組む。

(構成 梶塚美帆)

[日経xwoman 2021年5月20日付の掲載記事を基に再構成]

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