骨盤のゆがみ整えおなかすっきり 1日1分おしり整体

悩みのぽっこり下腹。その原因のひとつは、骨盤まわりの筋肉や関節の「ゆがみ」。この骨盤のゆがみを効率的にほぐすのが、お尻を伸ばすだけの「おしり整体」。1日1分続ければ、おなかはぺたんと平らになって、くびれも復活!
おなかがなかなか引っ込まない……と悩んでいる人は、「骨盤のゆがみ」に着目してみよう。
「現代の生活はデスクワークなど前かがみの姿勢が多く、一方でしっかりお尻の筋肉を使って歩くといった時間が少ない。お尻の筋肉を使っていないと、股関節の可動域が狭まって硬くなり、そのゆがみが骨盤に波及する」と、骨盤矯正パーソナルトレーナーのNaokoさん。
骨盤がゆがむと、さらに下腹周辺の筋肉が使われづらくなり、脂肪がつきやすくなるという。「骨盤にゆがみがあるまま、筋トレなどをしても、効かせたい筋肉が動かず、効率よく脂肪を落とすことはできません」。
Naokoさんが提案するのが、骨盤のゆがみを解消するためにお尻にアプローチする「おしり整体」だ。ゆがんだ状態で硬くなっている骨盤まわりの筋肉を緩やかに揺らしながらほぐすことで、ゆがみを解消。さらに、ベルトを締めるように下腹をへこませながら呼吸することで、姿勢を安定させる。
「一度行うと、全身が軽くなるのがわかるはず。多くの人は、1週間程度で姿勢が変わり、1カ月後にはサイズダウンを実感できます」(Naokoさん)
「おしり整体」でなぜ下腹がへこむの?

骨盤のゆがみを生み出しているのが、骨盤につながる2つの関節「股関節」と「仙腸関節」。おしり整体では、これらの周囲の凝り固まった筋肉を揺らしながらほぐし、可動域を広げることにより骨盤のゆがみを取る。
骨盤のゆがみ解消のポイントは大腿骨と骨盤をつなぐ「股関節」と、骨盤の中央の仙骨を左右の骨とつなぐ「仙腸関節」だという。

「おしり整体」の呼吸は、「4秒かけて鼻から吸い、8秒かけて鼻もしくは口から吐く」。この呼吸法で、姿勢を安定させ、「横隔膜を大きく動かし、大腰筋といったインナーマッスルにもアプローチする」(Naokoさん)。
下腹をへこませたまま息を吸い、吐くときは、みぞおちまで締まるのを意識して。おなかに力が入りやすくなるのもわかるはず。

おしり整体で骨盤のゆがみが解消されると、骨盤が体の支点としての役割を取り戻し、全身のバランスが整う。ゆがみがなくなることで、「アウターの筋肉は普段の活動で自然と鍛えられ、おなかも引き締まる」(Naokoさん)。
脂肪は使われていない部分につきやすい。おなかや背中の筋肉を正しく満遍なく使えるようになるから、おなかすっきり。歩幅も大きくなる。
【横座り「おしり整体」】骨盤内のインナーマッスルを刺激
まず、呼吸によって骨盤内のインナーマッスルを刺激する。股関節を揺らしてほぐすことで、骨盤周辺の筋肉を緩める。

1 横座りし、左足裏を右太ももにつける。ひざを左に倒して横座りする。左足裏を右太ももにつける。ももの下には入れないように注意。背すじを伸ばし、下腹をへこませたまま4秒かけて息を吸う。
2 浮いている右のお尻を押し下げる。下腹はへこませたまま、8秒かけて息を吐きながら、浮いている右のお尻を床に向かって少し揺らしながら押し下げていく。頭と首は上に伸ばし、座骨は真下に。反対側も同様に。
【四つばい「おしり整体」】骨盤の前後ゆがみを取る
お尻を伸ばして揺らすことで、骨盤の中央・仙骨の左右にある「仙腸関節」にアプローチし、骨盤の前後のゆがみを整える。

1 四つばいになりひざを大きく開く。両手は頭より前で床につき、ひざは安定した姿勢をとれる範囲で開く。足指は床につけて、踏ん張る。下腹をへこませたまま腰を少し反らし、4秒かけて息を吸う。
2 お尻をかかとに近づける。8秒かけて息を吐きながら、しっぽを立てるイメージでお尻をかかとに近づけ、前後左右にお尻を小さく揺らす。頭とお尻で引っ張り合うことを意識する。
【前後開脚「おしり整体」】骨盤の左右のゆがみを取る
股関節の前側、そけい部を伸ばし、大腰筋をストレッチし、骨盤の左右差を改善。後ろ側の足の小指を床につけると刺激が届きやすい。

1 正座して床に手をつく。正座して、上体を倒し、手を肩幅に広げて頭より少し前の床に置く。下腹をへこませたまま4秒かけて息を吸う。
2 左脚を後ろにお尻を揺らす。左脚を後ろに伸ばし、小指まで床につける。右ひざは曲げて右腕より少し外に開く。下腹をへこませたまま8秒かけて息を吐きながら、右のお尻を下げ、左右に揺らす。反対側も同様に行う。
【ブンブンごま「おしり整体」】背中が伸びて姿勢改善、くびれもできる
左右にひもを引っ張るブンブンごまのように体を上下方向に引っ張り、太ももから背面全体を伸ばす。背中スッキリ、くびれが復活。

1 ひざを倒してお尻を浮かせる。立てひざで座り、両ひざを左に倒し、両手を後ろにつく。続いて、左のお尻を体の真ん中にずらして右のお尻を浮かせる。下腹をへこませたまま4秒かけて息を吸う。
2 両手をつき、体をひねる。下腹をへこませたまま8秒かけて息を吐きながら、右手を大きく伸ばしてから床につける。体を上下に引っぱることで、腰まわりをひねり、背面全体を伸ばす。

(取材・文 柳本 操、写真 稲垣純也、スタイリング 中野あずさ=biswa.、ヘア&メイク 依田陽子、モデル MIKA、イラスト 三弓素青)
[日経ヘルス 2020年8月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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