体温めて免疫力上げる ウイルスに負けない腹凹ごはん
カラダにやさしい献立

寒さと乾燥が増すこの時期は、年末の忙しさとも重なり、カゼを引くなど、体調を崩す人が多いかもしれません。そんなときこそしっかりと栄養をとり、体調管理に気をつけましょう。手早くできて、体が温まる献立を、『藤井恵の腹凹ごはん』から管理栄養士で料理研究家の藤井恵さんに教わります。
◇ ◇ ◇
冬、体調を崩さすに乗り切りたいもの。「体を温めることや、免疫力を保つことを意識した食事で、冬を元気に過ごせます」と管理栄養士の藤井恵さん。
あんかけや、ピリ辛のメニューは、体を芯から温めるので、冬の献立にお薦め。また、たんぱく質を含む卵や肉、ビタミン豊富な野菜をしっかりとることが、元気な体づくりにつながるという。
「食物繊維をたっぷりとって、腸を整えることも大切です」。
朝の献立
・かきたまあんかけうどん
・ワカメとカリフラワーの粒マスタードあえ
1人分 カロリー402kcal、塩分3.4g

「朝は体温を上げるため、温かく、すぐにエネルギーになるメニューがお薦め。うどんは柔らかくて消化のいい炭水化物なので、冬の朝食にぴったりです。ショウガをたっぷり使ったあんかけにすれば、体の内側から温まり、温かさが持続します」と藤井さん。卵で、体のベースとなるたんぱく質もとっておこう。
また、免疫をサポートするには、ビタミンや食物繊維も大切だ。「カリフラワーはビタミンCを多く含む冬野菜なので、積極的に取り入れて。食物繊維が豊富なワカメと組み合わせ、腸内環境も意識しましょう」。
かきたまあんかけうどん
1人分 376kcal、塩分2.9g 調理時間20分
◇材料(2人分)
好みのうどん 2玉
卵 2個
(A)
だし 3カップ
ショウガ(すりおろす) 1/2かけ分
塩・しょうゆ 各小さじ1/2
(B)
みりん 大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
(C)
だし 大さじ2
片栗粉 大さじ1
ショウガ(すりおろす) 1/2かけ分
万能ネギ(小口切り) 4本分
◇作り方
1 たっぷりの熱湯で好みのうどんを袋の表示時間通りにゆで、ざるに上げて水気を切る。卵は割りほぐす。
2 鍋に(A)を入れて中火にかけ、煮立ったらうどんを入れて2~3分煮る。器に盛り分け、つゆの1/2量をかける。
3 残ったつゆに(B)を加えて中火で熱し、煮立ったら混ぜ合わせた(C)を加えて混ぜ、とろみをつける。卵を回し入れ、ふんわりと浮いてきたらうどんにかけ、ショウガと万能ネギをのせる。
ワカメとカリフラワーの粒マスタードあえ
1人分 26kcal、塩分0.5g 調理時間10分
◇材料(2人分)
ワカメ(塩蔵) 20g
カリフラワー 1/3個(120g)
(A)
だし(または水) 大さじ1
粒マスタード 小さじ1
しょうゆ 小さじ1/2
◇作り方
1 ワカメは洗って水に5分浸し、水気を切って食べやすい大きさに切る。カリフラワーは小房に切り分ける。小さめの器に(A)を混ぜ合わせる。
2 耐熱ボウルにカリフラワーを入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱する。ワカメと(A)を加えてあえ、器に盛る。
夜の献立
・豚肉とキクラゲの辛みスープ
・プチトマトと豆腐の香菜あえ
・ダイコンとニンジンの酢しょうゆ漬け
1人分 カロリー598kcal、塩分3.3g

「赤唐辛子で辛みを利かせたスープも、体を温めるのにもってこい」と藤井さん。具だくさんスープの中には、豚肉のたんぱく質やビタミンB1、小松菜のβカロテンやビタミンC、キクラゲの食物繊維など、カゼに負けない体づくりに必要な栄養素がたっぷり。ニンニク、ショウガ、ネギなどの香味野菜を使うのもポイント。体が温まり、ビタミンB1の吸収も高まる。
副菜にも、たんぱく質やビタミンが豊富な食材を取り入れよう。「お薦めは、ビタミンCを含むダイコンとβカロテンを含むニンジンを使った酢しょうゆ漬け。多めに作ってストックしておくと便利ですよ」。
豚肉とキクラゲの辛みスープ
1人分 226kcal、塩分1.3g 調理時間20分(キクラゲの戻し時間は除く)
◇材料(2人分)
豚薄切り肉(しゃぶしゃぶ用) 150g
キクラゲ(乾燥) 10個
小松菜 200g
(A)
ニンニク・ショウガ 各2かけ
ネギ 1/2本
赤唐辛子 4本
(B)
鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ1/2
熱湯 4カップ
(C)
酒 大さじ1
塩 小さじ1/3
ゴマ油・ラー油 各小さじ1
好みでラー油 適量
◇作り方
1 キクラゲはたっぷりの水につけて戻し、食べやすい大きさに切る。小松菜は4cm長さに切る。ニンニクは横半分に切り、ショウガは皮をむいて薄切りにする。ネギは4cm長さに切り、浅い切り込みを斜めに細かく入れる。
2 鍋に(B)を入れて溶かし、(A)を加えて中火にかける。煮立ったら弱火で10分煮る。
3 キクラゲと豚薄切り肉を加え、煮立ったらアクを取り、小松菜を加えて2~3分煮る。
4 (C)を加えて、2~3分煮てゴマ油とラー油を加え、器に盛る。好みでラー油をかける。
プチトマトと豆腐の香菜あえ
1人分 57kcal、塩分0.8g 調理時間10分
◇材料(2人分)
プチトマト 8個
木綿豆腐 100g
香菜 20g
レモン汁 小さじ2
塩 小さじ1/4
◇作り方
1 プチトマトはヘタを取り、縦半分に切る。香菜は飾り用の葉を2枚ほど残し、みじん切りにする。
2 ボウルに木綿豆腐を崩し入れ、プチトマト、香菜のみじん切り、Aを加えてあえる。器に盛り、飾り用の香菜をのせる。
ダイコンとニンジンの酢しょうゆ漬け
1人分 64kcal、塩分1.2g 調理時間40分
◇材料(2人分)
ダイコン 12cm
ニンジン 1/3本
(A)
酢・しょうゆ 各大さじ3
砂糖 大さじ1
粉サンショウ 小さじ1/3
◇作り方
1 ダイコンとニンジンは皮をむき、4cm長さ×1cm角の棒状に切る。
2 ポリ袋に(A)を入れて混ぜ合わせ、1を加える。常温で30分置き、冷蔵庫で保存する。4~5日保存可能。

ショウガのすまし汁(材料と作り方)
おわんにショウガのすりおろし1/2かけ分、ネギのみじん切り10cm分、とろろ昆布3つまみ、カツオ節1/2パック、しょうゆ少々を入れ、熱湯を注ぐ。
(構成・文 川端浩湖、写真 野口健志、スタイリング 大畑純子、栄養計算 内山由香=食のスタジオ)
[日経ヘルス2018年12月号記事、『藤井恵の腹凹ごはん』を再構成]

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