自宅に眠るグッズでコロナ太り解消 トレーニング10選

在宅勤務や外出自粛で運動不足に陥りがち。自宅に眠る健康グッズなどで体を動かそう。専門家11人がお薦めのトレーニングを選んだ。
1位 縄跳び
全身使って 手軽に脂肪燃焼
誰もが経験したことがある縄跳び。最大の魅力は手軽さだ。室内で有酸素運動ができる「優れた器具」(チャック・ウィルソンさん)と専門家の評価が高い。
「簡単だが、ふくらはぎ、体幹、腕までと短時間で素晴らしい全身運動になる」(なかやまきんに君さん)。1分間程度跳んで休むを繰り返してもよく、「脂肪燃焼にも効果的」(浅井義人さん)。一見、単調な動作だが、「手足を上手に協調させたジャンプ運動で、片足跳び、二重跳びなどに挑戦すれば飽きもこない」(長田美恵子さん)。
縄がなくても「タオルを回しながら膝をやわらかく上下させてリズムをとる"エア縄跳び"もお薦め」(荒木邦子さん)。跳びはねないので騒音対策の一助になる。

2位 けん玉
技に挑戦 習得で満足感

おなじみの木製玩具。膝、足首、腰を使うので全身の有酸素運動になり、運動不足やストレス解消に効果的。「手で持つ玩具だが、足腰が重要で体幹や大腿筋力が鍛えられる」(荒木さん)、「膝の弾みが、全身のリズミカルな運動を誘発。世代を超えて楽しめる」(長谷川聖修さん)。
「技が決まったときの達成感や喜びが、生活習慣病などに共通する炎症を抑える作用を促す」(白沢卓二さん)。サッカー選手がトレーニングに取り入れたり、世界大会が開催されたりするなどスポーツとしても定着。日本けん玉協会が始めたオンライン検定も人気だ。「技も数多く、習得するごとに満足感も得られる」(佐藤弘道さん)。教材として採用する幼稚園や小学校、学習塾もあるほか、介護施設などでも使われている。
3位 ヨガ
心身をリラックス

ヨガは独特なポーズをとり、激しい動きはしなくても汗びっしょりになる。浅井さんは「正しいポーズを学べば柔軟性向上、筋力強化など様々な効果が期待できる」と指摘。無理なくチャレンジできるレベルから始め徐々に難度を高めるのが理想。初心者なら「英雄」や「コブラ」などのポーズから始めよう。
呼吸法を学ぶことで「心身のリラックスと調和がとれる」(加藤太一さん)。筋力アップ以上に心を落ち着かせる作用もあると見る専門家が多い。荒木さんは「週3回程度、集中して取り組めば心身のバランス、血流促進、柔軟性向上、引き締め効果が見込める」とアドバイスする。
4位 自転車型トレーニングマシン
風景動画でサイクリング気分

フィットネスジムなどで目にすることが多いが、家庭用も多数ある。荒木さんは「運動を意識せず20分程度こげば血流が促進され、負担を掛ければ筋持久力向上、体幹や下肢筋力アップも期待できる」と話す。
「無理なく効果的な有酸素運動ができ、脂肪燃焼効果が高い。風景動画を見ながらサイクリング気分も味わえる」(長田さん)との声も。場所は取るが、持っていたらぜひ使いたい。
4位 ゴムチューブ
場所を選ばず筋力トレーニング

ゴムの伸縮と反発力を使い、鍛えたい部位に負荷を掛ける。場所を選ばず、安全に筋力トレーニングができる。スポーツ用品店や100円ショップなど購入しやすいのも魅力。「種目に合わせゴムの種類や強度を選び、様々な部位の筋力アップにつなげることが可能」(加藤さん)。設置も多様で、「チューブを天井や壁、イスなどに固定すれば運動しやすい」(長田さん)。
6位 ダンベル
男性は5~10キロ、女性は1~5キロ

ベッドの下などに置き去りにされがちだが、チャック・ウィルソンさんは「シンプルで効果的」と評価。なかやまきんに君さんも「ハードな筋トレで腹筋や背筋などを追い込める」と指摘する。ダンベルを片手に持ち、持っていない手の方に体を傾け腹斜筋への刺激を感じたら止めて戻す。ケガ防止にはゆっくりと。棚橋弘至さんは「初心者は男性なら5~10キロ、女性なら1~5キロが目安」と薦める。
7位 バランスボール
イスの代わりに座るだけ

イスの代わりに座るだけで体のゆがみを整えることができる。「正しい姿勢を自然に引き出せ、腰痛や肩こりが予防できる」(長谷川さん)。不安定なボールの特徴を生かし「体幹部を中心としたバランス感覚や安定性を養うことも可能だ」(加藤さん)。荒木さんは「中央からやや後ろに腰を引いて座り、滑って転ばないよう靴下は脱いでおく」とアドバイスする。
8位 ビリーズブートキャンプ

8位 踏み台

10位 任天堂「Wii」

自宅に眠る 「たんすの肥やし」健康グッズは?
「毎日使うと買ったのに使ったところを見たことがない」(40代女性)と「たんすの肥やし」になった健康グッズは多い。その代表がダンベル。「重すぎて持ち上がらなくなった」(60代男性)などサイズ選びの間違いも多い。バランスボールは「ずり落ちてけがをした」(50代女性)など使い方を間違えるケースが目立つ。ぶら下がり健康器や自転車型トレーニングマシンなどは「重く置き場所に困る」(60代男性)がお蔵入りの理由だ。マッサージチェアや電気刺激で筋肉を鍛えるトレーニング機器は「思ったような効果が見られなかった」(40代女性)との声も。ダンベルは「ドアストッパー」や「漬物石」、ぶら下がり健康器はハンガー、物干しざおに変身。本来の使い方を見直してみてもいいのでは。

正しい方法で 無理はせずに
「コロナ太り」解消を目的としたお薦めの健康グッズは、縄跳びやけん玉、バランスボールなど極めて身近で手に入りやすいモノが多かった。
専門家の指摘で共通していたことが2点ある。どんな運動も決して無理をしないこと。「朝起きてすぐや食後の運動は心臓に負担がかかるのでNG。夕食、就寝時間を考えると午後4時ごろに体を動かすことが理想」(荒木邦子さん)。もう一つは「フォームや呼吸方法など正しいやり方を学び取り組む」(浅井義人さん)。バランスボールも座り方や姿勢など「正しいメソッドを覚えていなければ効果がない」(三浦豪太さん)。
三日坊主といわれるように毎日エクササイズを続けることは容易ではない。棚橋弘至さんは「自宅でできるトレーニングだからこそ、生活のルーティンに組み込んでしまおう」と話す。どんなトレーニングも諦めず続けることが大切だ。
マンションなど室内で縄跳びをする場合、下の階への騒音などが気になりがち。荒木さんは「縄に布を巻けば騒音や床に付く傷も気にならなくなる。タオルを使った『エア縄跳び』でもいい」。ちょっとした工夫を薦める。
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(佐々木聖)
[NIKKEIプラス1 2020年6月6日付]
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