ふわ胸、もも尻をかなえる 肩甲骨・股関節ストレッチ

欲しいのはたくましい手脚でなく、すてきに服を着こなせる女性らしいボディー。スキンケアで美肌を磨くように、毎日のストレッチで美ボディーをつくる――。そんなメソッドを紹介します。
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胸やお尻が垂れるのを気にして筋トレする女性が多い。だが、「ふんわり女性らしい胸や、きゅっと引き上がった小尻を手に入れたいなら、まずやるべきことはストレッチ」というのは、フリーアナウンサーの田中みな実さんをはじめ、多くのタレントのトレーニングを手がけるパーソナルトレーナーの玉置達彦さんだ。
玉置さんは「胸が垂れる原因は、猫背などで胸を下に向けた姿勢。そのままの姿勢が続くと、重力に負けて胸が垂れやすい」という。腕の振りが小さくなるため、二の腕に脂肪もつきやすくなるという。
「上向きのふんわりやわらかい胸も、引き締まった二の腕も、実は要は肩甲骨。硬くなった肩甲骨をほぐせば、胸が開いて、バストも引き上がる」と話す。
一方、ヒップアップで重要なのは股関節だ。「股関節が硬いと歩幅が小さくなり、お尻を使わず脚だけで歩くようになる。これがお尻が垂れる要因。股関節をほぐすことがヒップアップへの近道」(玉置さん)。
背中ほぐしてふんわり胸 二の腕引き締まる肩甲骨ストレッチ
パソコンやスマホの使用時間が長い人、ハイヒールを愛用する人などは、背中が丸くなり、首が前に出やすい。ここで紹介する肩甲骨ストレッチは、そんなガチガチに凝り固まった背中をほぐすもの。
「ふんわり上向きのバストを望むなら、胸を鍛えるより肩甲骨をほぐすほうが効果的。肩甲骨が大きく動かせると、背中のこわばりが解消し、胸が開いてバストが自然と上を向く。腕を大きく動かせるようになるので、二の腕も引き締まりやすい」と玉置さん。
肩甲骨の動きを良くするにはステップ1を。ステップ2のエクサも加えれば、肩甲骨を正しい位置で使えるようになる。
●背中の筋肉の凝りをとる「肩甲骨ほぐし」
まずは、前かがみになりがちな肩を正しい位置に戻して猫背を解消。胸が開くと、バストは自然に上を向く。デコルテラインもすっきりして小顔効果も。

●二の腕、肩甲骨まわりを鍛える「ペットボトル肩甲骨エクサ」
ダンベル代わりに水の入ったペットボトルを使う、積極的なエクササイズ。最初はボトルなしでもOK。慣れてきたら500ml(0.5kg)、1L(1kg)と負荷を増やしてみて。


骨盤まわりの動きを良くして股関節ストレッチ
キュッと引き締まったヒップは、後ろ姿を若く見せ、脚長効果も絶大。「ヒップが垂れるのは、筋肉を正しく使えていないのが原因。多くの人がヒップアップに効くと思っているスクワットも、正しくできていないと、太ももの前面ばかりが大きくなる」と玉置さん。それより、日常的な動作でお尻を使えるようにしたほうがいいという。
そのためにほぐしておきたいのが股関節だ。「ステップ1の股関節前部のストレッチでは、背骨や骨盤と太ももをつなぐ腸腰筋や、お尻の上部にある中殿筋がほぐれ、お尻を使って歩けるようになる。ステップ2も加えれば、骨盤が安定し、より効果が得やすい」(玉置さん)。
●股関節の動きをスムーズに「四股ストレッチ」
歩幅の狭い歩き方、座りっぱなしの姿勢を続けると、縮んだまま硬くなってしまうのが股関節。最初は思うように開かなくても、根気よくストレッチを積み重ねてヒップアップしよう!

●中殿筋に負荷をかけて鍛える「股関節エクサ」
お尻の上部にある中殿筋が上手に使えるようになると、歩幅も広がって代謝もアップ。さらに、美しい姿勢を保つために必要な大殿筋も連動して刺激されるので一石二鳥!


「タマトレ」代表。パーソナルトレーニングスタジオ「タマトレ」代表。田中みな実さん、前田敦子さんをはじめとしたタレントやモデルなどに、ひとりひとりのペースや要望に合った美ボディーづくりを指導。現在は2名のトレーナーで指導を行う。問い合わせはhttps://tstars.jp/へ。
(取材・文 北市みち、写真 村田わかな、モデル MIKA、スタイリング 中野あずさ=biswa.、ヘア&メイク 千葉智子=ロッセット、図版/三弓素青)
[日経ヘルス 2019年8月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。