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歯の光沢も歯ぎしりの注意報 寝酒やカフェインはNG

大切な歯を守る(中)

NIKKEI STYLE

日経ヘルス

歯を失う原因として、歯周病、虫歯に次いで多いのが、歯が折れる「破折(はせつ)」だ。歯ぎしりや食いしばりによる破折が最近注目されているが、歯ぎしりなどを自覚するのは難しい。2回目は、歯ぎしりや食いしばりにどう対応するとよいかを説明する。

◇  ◇  ◇

強い力で歯を傷つけたり、歯が折れる原因にもなる歯ぎしりや食いしばりは、無意識に行うものなので自覚しづらい。睡眠中の歯ぎしりを家族に指摘されて初めて気づくことが多いが、他にもサインはあるという。

「歯が短くなった、欠けた、かみ合わせ面に光沢があるというのは、歯ぎしりで歯がすり減った証拠」と、昭和大学歯学部歯科補綴学講座の馬場一美教授は説明する。きちんと歯のケアをしているのにかぶせ物が壊れやすい、朝起きたときあごが疲れている、ほほの内側の粘膜に歯形がついているという場合も、歯ぎしりが疑われる。

また親が歯ぎしりをしている人は、そうでない人より歯ぎしりをする確率が高くなるそう。馬場教授らは歯ぎしりに関係する遺伝子を見つけている。

では、対策は? 「歯ぎしりの7~8割は眠りが浅いときに起こるので、睡眠の質をよくすることで改善されることもある」と馬場教授はアドバイスする。寝酒や喫煙、カフェイン摂取は、覚醒作用があるので控えよう。ストレスの多い人は、リラックスを心がけるとよいだろう。いびきや睡眠時無呼吸症候群のある人は治療を受けよう。また睡眠中にスプリント(マウスピース)を使う手もある。

一方、日中に無意識のうちに歯を食いしばっている人も多い。「リラックスした状態では、本来、上下の歯は接触していないのが普通。接触していることに気づいたら、その都度、深呼吸をしてほしい」と馬場教授は話す。意識して直すようにすると、食いしばりが自然と減るという。

次回は歯を守る治療法について解説する。

馬場一美さん
昭和大学歯学部(東京都大田区)歯科補綴学講座教授。東京医科歯科大学歯学卒業、同大学院修了。同大学歯学部講師などを経て、2007年から昭和大学歯学部歯科補綴学講座教授。同大学歯科病院病院長、日本補綴歯科学会副理事長なども務める。ブラキシズムに詳しい。

(ライター 佐田節子、構成 堀田恵美)

[日経ヘルス2019年8月号の記事を再構成]

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