足指エクササイズ・靴選び… 外反母趾の悪化を防ぐ
足のアーチ崩れによる疾患(中)

サンダル履きになる機会が増える夏場は、足の見た目が気になってくる。加齢に伴う足の"アーチ崩れ"は外反母趾(ぼし)の原因にもなる。その悪化を防ぐには、足指を動かすエクササイズが有効だという。前回記事「親指の付け根が出っ張り傾いていたら 外反母趾を疑う」に続き、2回目は外反母趾のセルフケアと治療法を見ていこう。
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足の親指の傾きが気になり始めたら、運動に加え、靴やインソールで悪化を防ごう。

アーチ崩れは、外反母趾の原因になるだけでなく、状態を進行させてしまう。改善するには、足指や足裏の筋肉を鍛える運動がいい。池澤部長が薦めるのは、(1)グーパー体操(2)ホーマン体操(3)タオルギャザー体操の3つ。「これらの体操は痛みを軽減させる効果も期待できる。一度変形した足先の骨格を元のように治すことはできないが、初期の軽い症状であれば進行を食い止めることは可能」と、池澤部長は説明する。

さらに、靴選びとインソール(足底板)の使い方もポイントになる。「バレエシューズのように形が変わりやすい軟らかい素材はダメ。かかとがしっかりしていて、横幅が広がりにくい靴を選んでほしい」(池澤部長)。
インソールは人工的に足の縦や横のアーチをサポートし、歩くときに足裏にかかる圧力を分散させる。整形外科で外反母趾を治療する際にも、個々の足に合わせたオーダーメイドのインソールがよく使われる。だから市販のインソールでは合わない場合もある。「軽症の外反母趾対策にとどめて」と池澤部長は話す。
(1)ヒールは3cm以下。

(3)靴の先端は5~10 mm程度の余裕があるとよい。
(4)ひも靴は足幅に合わせて調整しやすい。甲の部分が固定されると靴の中で足がすべりにくい。
(5)移動時は歩きやすい靴、パーティー中のみヒールの高い靴など、目的に合わせて靴を替える。
(6)シューフィッターに足のサイズを測ってもらい、靴選びの助言をもらう。

(ライター:福原麻希、構成:日経ヘルス 中西奈美)
[日経ヘルス2018年7月号の記事を再構成]
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