運動は一気にやるか小分けか、効果あるのはどっち?

この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!
(1)まとめて行わないと意味がない
(2)小分けに実行してもOK
正解は、(2)小分けに実行してもOKです。
運動は小分けにしても、まとめて行っても効果はほぼ同等
著名なフィジカルトレーナーである中野ジェームズ修一さんは、「運動は小分けに行っても、まとめて行っても効果はほぼ同等」と話します。
「20分以上の運動が脂肪を燃焼させるという話がありますが、実は脂肪は黙って座っている時でもエネルギーとして使われています。運動を開始した時も同じで、脂肪は利用されているのです」(中野さん)
中野さんによると、アメリカスポーツ医学会の基準として「週3~5回、20~60分の大筋群(大胸筋、広背筋、大腿四頭筋などの大きな筋肉)を使ったダイナミックな運動」が奨励されているそうです。これをだいたいの量にならすと「1日30分程度の運動としての身体活動を毎日」となります。これはまとめてということではなく、分割して行ってもいいのだそうです。つまり1日に10分の運動を3回でも健康維持ができるわけです。
さらに中野さんは、毎日30分に換算できる運動を、週末にまとめて行ってもいいと話します。90分間の運動を週に2回行えば、30分の運動を6回できたことになります。それだけでも十分に効果があると、ゲーリー・オドノバン博士を中心とした研究チームが2017年3月に米国医師会雑誌(JAMA)に発表しています(JAMA Intern Med. 2017;177(3):335-342)。運動は小分けにしても、まとめて行っても効果はほぼ同等なわけです。
「人生80年と考えて、週末に1時間半の運動を2回と考えれば、それほど長い時間ではありません。健康維持のためには、それくらいの気持ちで体を動かしてほしいですね。それができないのであれば、日常生活の中で必ず階段を使う、打ち合わせや営業に向かう時には積極的に早足で歩く、電車の中では座らないといったことを実行すればいいのです。世の中にある便利なものを使わないようにしましょう」と中野さんは話します。
「1日に10分間の歩行を3回行えばいい」と考えれば、「時間がない」を言い訳にしている人でも、気楽に取り組めるのではないでしょうか。加えてエスカレーターやエレベーター、ネットショッピングなどの便利な生活をやめて、あえて疲れそうな行動をとることが、健康維持には大切といえそうです。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday2018年6月11日付記事を再構成]
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