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治らぬ手荒れは皮膚科へ 紫外線治療が効果的

NIKKEI STYLE

日経ヘルス
冬になると決まって手が荒れてつらい、ひび割れに悩まされる……。そんな人は、手荒れのメカニズムを知って、生活習慣を見直そう。手荒れ対策について3回に分けて紹介する。最終回は手荒れが重症化した場合の治療法について見ていこう。

ハンドクリームでどうにもならず、手湿疹などが見られるときは、皮膚科に行こう。「ステロイド外用薬で炎症を抑えながら、保湿剤を併用していくのが一般的」と、おゆみの皮フ科医院の中村健一院長は説明する。

一方、美容師や看護師など、手荒れが職業病になっている場合、皮膚科で治療を受けても、なかなか完治するのは難しいのが現状だ。「現実問題として仕事を辞めるわけにもいかないため、近年、皮膚科医の間でも、職業上の手荒れを治していこう、という動きが高まっている」と中村院長。

「重症期の手荒れは、皮膚の中へ入り込んだ刺激物に対するアレルギー反応も関係しているため、過剰な免疫を抑制する紫外線治療を行うクリニックが増えている。一般的には、週1~2回の照射を2カ月間続ける。健康保険が適用されることが多いので、経済的な負担は少ない。仕事をしながらでもなるべく、手をいい状態に保てるように、相談しやすいかかりつけ医を見つけて、根気よく治療を続けたい」(中村院長)。

手荒れと思ったら「手水虫」のことも

手荒れによく似た症状の皮膚疾患もある。まず、多いのが掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)。「初めは小さな水疱だが、やがて角質層がはがれ落ちる。しかし、水疱は次第に膿がたまった膿疱に変わり、かさぶたになる。症状の変化に着目して」と、南青山皮膚科スキンナビクリニックの服部英子院長は話す。

水虫は足にできると思われがちだが、手や指にも発症することがある。「白癬菌による感染症で、角質層がカサカサになり、かゆみはない。足の水虫を触わったりしているうちに感染し、利き手にだけ症状が出ることが多い」と中村院長。

まれなケースだがダニによる感染症もある。「ヒゼンダニの寄生で発症する疥癬(かいせん)も、角質層が厚ぼったくガサガサになる。高齢者施設で発生しやすく、介護に携わる人は手荒れとの混同に注意」(中村院長)。

いずれの皮膚疾患もセルフケアでは改善しないので、異常を感じたら皮膚科を受診したい。

この人たちに聞きました

中村健一さん
おゆみの皮フ科医院(千葉市緑区)院長。一橋大学法学部、信州大学医学部卒業。聖路加国際病院皮膚科等を経て、おゆみの皮フ科医院を開業。「日経メディカルonline」で「【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来」を連載中
服部英子さん
南青山皮膚科スキンナビクリニック(東京都港区)院長。東京女子医科大学医学部卒業。日本皮膚科学会皮膚科専門医。保険診療の一般皮膚科と自由診療の美容皮膚科で、女性の心に寄り添う治療を行う。特にアトピー性皮膚炎に実績がある

(ライター 海老根祐子、構成:日経ヘルス 羽田光)

[日経ヘルス2017年2月号の記事を再構成]

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