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いつものコスメが効果9割増し 化粧品の正しい使い方

NIKKEI STYLE

日経ウーマン
化粧品の元開発者で、10万種類以上の化粧品を試してきた美のプロが、手持ちのコスメの効果を最大限に引き出す方法を教えます。

Q1 スキンケアに「浸透タイム」は必要?

A 不要です

化粧水をつけた後、成分を浸透させるために時間をおく―─。実践している人も多いこのスキンケア法、実は肌に悪影響が! 化粧水が浸透するのは、皮膚表面の角層までで、内側に染み込むことはありません。さらに、化粧水の成分は30~95%が水。肌にのせた化粧水は、時間がたつほどどんどん蒸発してしまう上、気化熱の影響で、もともと肌にあった水分まで一緒に奪ってしまうのです。大切なのは、つけた水分を逃さないこと。化粧水をつけたら間髪入れずに、油分を含んだ美容液や乳液をつけましょう。

Q2 職場での乾燥予防は、スプレー化粧水でOK?

A それだけでは期待薄。乳液などで保湿を

スプレータイプの化粧水でこまめに保湿をしているのに、いっこうに乾燥感がなくならない……。そんな人は、ぜひ化粧水の容器をチェックしてみて。「エアゾール缶入りスプレー化粧水」なら、肌の保湿効果は期待薄。なぜなら、缶の噴き出し口の穴が小さいため、粒子の大きい保湿成分が入っていないから。いわば、水を吹きかけているだけの状態なのです。オフィスで肌の乾燥が気になるなら、美容液を手のひらに伸ばして、お化粧崩れしないようにやさしく肌を覆ってみて。

Q3 スキンケアに必要な究極のアイテムは?

A 「透明なもの」と「白濁したもの」を1つずつ

スキンケア化粧品には、化粧水、美容液、乳液……と数多くのアイテムがあります。しかし、化粧品の名称には、成分量などの定義がなく、名前が違うだけの似たような成分であることも。肌の水分と油分、それぞれを補うアイテムを1つずつ使えば十分なのです。水のような質感の透明~半透明のアイテム(化粧水など)で水分を補い、油分を多く含んだ白濁したアイテム(クリームなど)を塗布。これでOKです。

Q4 日焼け直後に美白ケアは避けるべき?

A 直後は化粧品を使わず、炎症を抑えることに専念して

日焼けをして赤くなった! そんなとき、美白美容液や美白パックをするのは絶対に避けましょう。日焼けして赤くなっているのは「やけど」をしたのと同じ状態。弱った肌にスキンケアアイテムの刺激は強く、ひりひりしたかゆみが出たりする恐れが。日焼けをした日は、水で絞ったタオルを肌に当てて。ほてりと赤みが落ち着いてから、化粧品を使いましょう。

Q5 ズバリ、「コスパがいい化粧品」は?

A 大手メーカーのセカンドラインと、自社研究所を持つ通販コスメ

原料代1000円のクリームが、10倍以上の値段で売られていることも少なくない化粧品。一方で、専門家から見てもコスパがいいなと思うコスメもあります。お値打ちコスメの筆頭は、大手メーカーの"セカンドライン"。ドラッグストアで売られる比較的安価なコスメを指しますが、大手メーカーならではの技術力、開発力を生かした高品質なものが多いのです。通販専用コスメなら、ひとつの判断材料として自社の研究所を持つメーカーのものが、高品質な傾向があります。

Q6 朝のスキンケアを丁寧にすれば、化粧のりはアップする?

A 使うアイテムを減らすほどメークは崩れにくい

スキンケアアイテムを塗り重ねるほど、メーク崩れしやすくなります。その理由は、クリームや美容オイルなどを重ねづけすることで、肌表面の油分が多くなり、その上に重ねる下地クリームやファンデーションの"すべり"が良くなり過ぎてしまうから。結果、メークがヨレやすくなってしまうのです。そんな失敗を防ぐには、重ねるアイテムの数を減らすのが一番。

Q7 高かった化粧品、効き目がないけれどつい使い続けてしまう…

A すぐに効果は出ない。2~4週間を目安に使ってみて

「この化粧品、高かったのに全然効かない……」。そう思ったことはありませんか。使い始めてから10日間程度なら、実はまだ効果が発揮されていない可能性も。一般的に、乾燥やニキビを解消するには、表皮の一番外側の角層が生まれ変わる2~4週間は、かかります。ただし、使い始めてかゆみや赤みなどのトラブルが出たら、すぐに使用を中止して。

Q8 たっぷりの泡で顔を洗っています

A 肌の乾燥を招くことも

モコモコの泡で肌に負担をかけない洗顔法がすっかり定着しました。しかし泡立ちの良さを売り物にした洗顔料の中には、泡をつくりやすくするために、洗浄力の強い成分が含まれているものもあります。乾燥肌の人が使い続けると、かさつきが進行してしまうことにも。洗顔には成分がシンプルな固形せっけんがおすすめです。なかでも透明なせっけんは、精製度の高い良質なものが多いので、ひとつの判断材料にしてください。

この人に聞きました

コスメコンシェルジュ
小西さやかさん
化粧品開発に10年間携わる。退社後、2011年日本化粧品検定協会設立。コスメの正しい知識が学べると人気、受検者は6万人以上。化学の視点で化粧品を評価するコスメコンシェルジュとしても活躍。近著は『効果が9割変わる「化粧品」の使い方』(青春出版社)

(ライター 樋口晶子、工藤花衣、写真 小野さやか、イラスト 酒井マオリ)

[日経ウーマン 2016年11月号の記事を再構成]

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