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はやぶさ2のカプセル回収、豪州砂漠に着地 JAXA

科学&新技術
2020/12/6 3:07 (2020/12/6 8:50更新)
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日未明、小惑星探査機「はやぶさ2」を離れたカプセルがオーストラリア南部の砂漠に着地したと発表した。現地で待機するJAXAのチームは午前4時47分、ヘリコプターでカプセルを発見し、同7時32分カプセルを回収した。

はやぶさ2のカプセルが大気圏に突入、オーストラリア南部クーパーペディ上空で観測された火球=JAXA提供

はやぶさ2のカプセルが大気圏に突入、オーストラリア南部クーパーペディ上空で観測された火球=JAXA提供

カプセルは、地球と火星の間を回る小惑星「りゅうぐう」で取った砂が入っているとみられる。2010年に世界で初めて小惑星の一部を持ち帰った先代「はやぶさ」に続く快挙となった。カプセルの着地後、津田雄一プロジェクトマネージャは「本当に良かった。感動している」と語った。

遠い天体に着陸して物質を持ち帰る「サンプルリターン」に再び成功し、日本の技術力を世界に示した。高度な無人探査技術は月やその先の火星に向かう足がかりとなり得る。世界の宇宙開発競争に加わるなかで日本の強みとなる。

はやぶさ2は5日午後、地球から22万キロメートルの地点でカプセルを切り離した。はやぶさ2本体は軌道を変え、新たな小惑星の探査に向かった。

カプセルだけが6日午前2時半ごろに大気圏に突入し、最高3000度の熱に耐えて落下。流星のように光る「火球」となり、パラシュートで減速して豪州南部ウーメラ地区の砂漠に舞い降りた。

投下したカプセルが大気圏に突入したことを確認し、管制室で喜ぶJAXAのスタッフら(6日未明、神奈川県相模原市)=モニター画面より

投下したカプセルが大気圏に突入したことを確認し、管制室で喜ぶJAXAのスタッフら(6日未明、神奈川県相模原市)=モニター画面より

カプセルは100キロメートル四方程度の着地予定区域内で見つかった。宇宙からたどり着くには、針の穴を通すような精密な制御が必要だった。カプセルは直径40センチと小さいが、JAXAはカプセルが放つ信号などを頼りに着地地点をほぼ特定し、豪空軍の協力も得て発見した。専用の密閉容器に入れ、早ければ8日にも日本に到着する見通しだ。

JAXA宇宙科学研究所の久保田孝教授は「長い苦労が報われた。カプセルを地球に戻せたのは本当にすごい」と振り返った。カプセルの回収で、りゅうぐうを巡る52億キロメートル、6年間にわたる旅は終わりを迎える。次はりゅうぐうで取ったとされる砂の存在が焦点となる。

はやぶさ2は19年2月と7月にりゅうぐうに着陸し、地表と地中の両方から砂をカプセルに取り込んだとみられる。同4月には地表に弾丸を撃ち込み、地中の物質を露出させる実験にも成功した。月より遠い天体の地中にあった砂を持ち帰れば世界初の快挙だ。

小惑星は、地球のような惑星になりそこなった天体だ。太陽系が誕生した約46億年前の様子を残す「太陽系の化石」とされる。なかでも、りゅうぐうは「C型」と呼ばれ、生命のもとになる炭素が豊富なタイプの小惑星だ。

地球の生命は、太古の地球に衝突した小惑星が含んでいた有機物や水分がもとになったとする仮説がある。りゅうぐうの砂が含む物質を調べれば、私たち地球の生命がどこから来たのかといった謎や太陽系の成り立ちに迫る手掛かりをつかめる。

地中の物質は太陽光や宇宙線による「宇宙風化」の影響を受けにくく、「新鮮」な状態を保ちやすい。さらに現地の豪州で回収直後のカプセルからガスを取り出して簡易分析もする。りゅうぐうの物質が放出した可能性があるガスまで漏らさず調べようという日本独自の試みだ。小惑星について多くの情報が集まると期待が膨らむ。

6日未明、オーストラリア南部クーバーペディの上空で観測された、大気圏に突入した「はやぶさ2」のカプセルの火球=共同

6日未明、オーストラリア南部クーバーペディの上空で観測された、大気圏に突入した「はやぶさ2」のカプセルの火球=共同

カプセルを迎える国内では既に準備が進む。JAXAは宇宙科学研究所(相模原市)に、地球の物質と混ざらないように真空や窒素を満たした環境でカプセルの中身を仕分ける専用設備を用意した。12月中旬にはどれぐらいの量を採取できたのか判明する見通しだ。

エンジン故障などトラブルが続き、満身創痍(そうい)で帰還した初代はやぶさはカプセルとともに大気圏に突入して燃え尽きた。はやぶさ2は健全な機体と残りの燃料を活用し、次は地球と火星の間を回る小型の小惑星「1998KY26」の探査に向かった。到着は31年7月ごろの見通しだ。

この小惑星は平均直径が約30メートルと、約900メートルのりゅうぐうと比べて小さい。約10.7分に1回転と高速で自転しており、探査されたことがない種類の小天体だ。はやぶさ2の打ち上げから17年近くの長期にわたって探査が続くことになり、探査機の想定寿命を超えた未知の領域に挑む。

小惑星のかけらが入ったカプセルを地球に投下した小惑星探査機「はやぶさ2」のイメージ=JAXA提供

小惑星のかけらが入ったカプセルを地球に投下した小惑星探査機「はやぶさ2」のイメージ=JAXA提供

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