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コロナ禍 変革する京都企業 オムロン、米で遠隔医療

新型コロナ
京都
関西
ビジネス
2020/11/29 12:00
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新型コロナウイルスの感染拡大で広がる「新常態(ニューノーマル)」を契機にビジネスを拡大する京都企業が登場しつつある。オムロンは米国で遠隔医療サービスに参入。ワコールは「巣ごもり消費」を追い風に電子商取引(EC)による販売が急伸。新興企業でもデジタル技術を生かした新ビジネスが堅調だ。

オムロンの子会社、オムロンヘルスケア(京都府向日市)は9月、米ニューヨーク市のマウントサイナイ病院と提携し、遠隔で高血圧症患者をモニタリングするサービスを始めた。同病院は年間外来患者が約350万人と米国を代表する大病院だ。

「バイタルサイト」と呼ばれるサービスだ。高血圧症患者が同社の血圧計で測定した結果は電子カルテに自動で転送され、医師や看護師が確認できる。異常値があればアラートを鳴らして警告し、診療方針の変更にも生かせる。イリノイ州などの医療機関でも採用が進んでいる。オムロンヘルスケアはシンガポールやヨーロッパ、インドなどでもオンライン医療事業の立ち上げを進める。9月に発足した菅義偉政権も遠隔医療の規制緩和に前向きとされており、オムロンの山田義仁社長は「日本でのオンライン診療の普及が進むのを期待する」と話す。

巣ごもり消費を取り込んでいるビジネスもある。下着大手のワコールの自社ECサイトを通じた2020年4~9月期の売上高は前年同期比で44%増まで拡大した。自宅で過ごす時間が増えた若い女性を中心に「ルームウエア」「ナイトアップブラ」「ノンワイヤーブラ」などが好調だった。「ミレニアル世代に合ったブランドが成長している」(同社)

大企業だけなく、新興企業もコロナ禍を商機として捉えている。

坂ノ途中(京都市)は有機野菜を中心に野菜を宅配するサービスを提供している。現在、コロナ前に比べて1カ月あたりの顧客数は倍増。1回2000円強で、隔週のペースで配達する野菜パックが好評だ。外出を控える動きが続く中、「少し高くても自宅でおいしいものを食べたいニーズがある」(同社)という。

「3密」を避けるために大規模イベントを開催できない状況が続く中、期待されるのがバーチャル技術を駆使したサービスだ。地図アプリを手がけるStroly(ストローリー、京都市)は4月、地図上で観光地や大学などのツアーを開催できるバーチャルマップを開発した。アバターを選択するとオンライン経由の参加者が地図上を移動。スポットごとに施設紹介などがある。東映太秦映画村(京都市)のイベントで活用され、500人が参加。京都橘大学もオープンキャンパスをバーチャル上で実施した際に活用した。

京都企業は電子部品から観光業まで裾野が広い。島津製作所はPCR検査センター設備の事業を展開、イシダは野菜や総菜を自動で包装する機械の引き合いが強い。三菱UFJ銀行の小林薫・京都支店長は「産業の多様性があり、観光では国内客にも人気が高いなど底力がある。全国と比べても早い持ち直しが期待できる」と話す。コロナ禍を商機に変える新たなビジネスがさらに登場すれば一層の飛躍も期待できそうだ。

■事業性評価に軸足 白波瀬・京都中央信金理事長
白波瀬理事長は「本業支援を本格化させる」と話した

白波瀬理事長は「本業支援を本格化させる」と話した

 新型コロナウイルス禍で地域金融の役割が高まっている。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」などの影響で持ち直しの傾向もみられるが、中長期では新常態(ニューノーマル)に適した新たなビジネスモデルの確立が急務だ。京都中央信用金庫は全国の信用金庫のうち預金量で初めて5兆円を突破した。金融業務を通じて企業をいかに支援するのか。白波瀬誠理事長に聞いた。
 ――足元の状況を教えてください。
 「京都はインバウンド(訪日外国人)客が盛んだったが、コロナで状況は一変した。インバウンドを当て込んでいたホテル、飲食業などは厳しい状況が続いている。『Go To キャンペーン』などで徐々に潤い始めている企業もあるが、まだまだ厳しい。政府主導の制度融資で手元流動性は膨らんでおり、倒産はそんなに出てはいないが、こらえてもらっている状況だ」
 ――中信の取り組みを教えてください。
 「(京都銀行や京都信用金庫を含めた)京都の3金融機関の中で、中信は制度融資の件数が府内で一番多い。コロナの影響下で新規に貸し出しをした事業先は3200。これまでは住宅ローンが多く、『住宅の中信』といわれていたが、理事長就任の2015年以降、事業性融資に力を入れてきた。コロナ禍の状況でも全事業先に対して一斉訪問を実施した。貸出金量の増加につながっている」
 ――金融機関が今まで以上に企業をどう支えていくかが課題になっています。
 「これからはソリューションビジネスの時代。事業性を評価し、本業支援に取り組んでいく。コロナ前の経営状況ではなく、コロナ後を前提に経営者と話をしていきたい。あらためて全事業先を訪問するように指示した」
 ――事業承継やDX(デジタルトランスフォーメーション)支援のニーズも高いです。
 「経済環境が見えにくい中、回復までの期間が長引けば事業承継は増加していくだろう。コロナ前からあるテーマだが、20年4~9月末の代表者変更は1000件と通常より多かった。17年から『地域創生部』というM&A(合併・買収)や販路開拓を支援する組織をつくっている」
 「デジタル化を支援する子会社で、中小企業向けに生産性の向上などの提案をしていく。一方、窓口では非対面の業務を拡充している。今後は印鑑レスの審査も検討していく」
 ――コロナを乗り切る上で「オール京都」で協力できることは。
 「産学公金が連携し、地域を活性化する新しいあり方を見いだしていく必要がある。学生が多いにもかかわらず、定着しないのが以前からの課題だ。大手に次ぐ魅力ある企業が生まれる環境をつくらないといけない。人口も減少している。それを食い止めるのも地域金融機関の使命の一つだ」
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