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ホテル再編の兆し 米ブラックストーン、近鉄から買収

日経ビジネス
コラム
2021/4/16 2:00
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近鉄GHDが売却する客室数988の「都ホテル京都八条」

近鉄GHDが売却する客室数988の「都ホテル京都八条」

日経ビジネス電子版

新型コロナウイルスの影響で大幅な収益減少に苦しむ宿泊業者が、相次いで身売りしている。米大手投資ファンドのブラックストーン・グループは、京都などの8つのホテルを約600億円で取得した。国内金融機関による融資の余力は限界に近づいており、金融主導の再編が進むとの見方が出ている。

「ついにブラックストーンが動いたか」。同社が近鉄グループホールディングス(GHD)から「都ホテル京都八条」など8物件を買い取ることについて、あるホテル事業関係者はこう語った。この取引は近鉄GHDが3月下旬に発表したもので、売却額は約600億円とされる。

外資系ファンドが、潜在力があるにもかかわらず苦境に陥った宿泊業者の資産を買うのは「時間の問題」との見方があった。各国政府によるコロナ対策の財政出動などで、世界的なカネ余りの状態にあるからだ。

近鉄GHDは8つのホテルについて、ブラックストーンからホテル運営を受託し、共同で価値を高める。「外資系ファンドは、海外で一般的な運営委託の形で日本に進出しようと物件を探している」とある金融関係者は話す。

不動産サービス大手、ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)の辻川高寛ホテルズ&ホスピタリティ事業部長は「日本のホテルは、訪日客が増えたといっても客数の8割は国内から。訪日客が回復すれば上積みが見込める」と、関心が高い理由を説明する。

足元のデータは依然として市場の状況が悪いことを示す。観光庁の調べでは、全国の2月の延べ宿泊者数は前年同月比52パーセント減、宿泊施設全体の客室稼働率は27パーセントと低迷が続く。東京商工リサーチによると、2020年の宿泊業の倒産件数は19年比57パーセント増の118件で、7年ぶりの高水準だ。

貸出残高が1年で2割増加

21年3月31日には、阪急阪神ホールディングスが大阪新阪急ホテルなど6施設の営業終了を決めた。同日、立山黒部貫光(富山市)は宇奈月国際ホテル(富山県黒部市)をルートインジャパンに売却したと発表するなど、身売りが相次ぐ。

ホテル投資・開発コンサルティング会社ホーワス・アジア・パシフィック、ジャパン(東京・新宿)の高林浩司マネージングディレクターは「金融機関も経営は厳しい。融資が不良債権化しないよう、返済が滞りそうなホテル事業者に営業終了や資産売却を促し始めている」と明かす。

国内銀行による宿泊業への貸出残高は20年12月に2兆7917億円と、19年同月より19パーセント増えた。金融機関の余力は小さくなっている。変異株の広がりや東京五輪・パラリンピックでの海外客の受け入れ見送りといったマイナス面が目立つ中、担保価値を厳しく見直す動きが徐々に拡大している。

国内銀行の宿泊業への貸出残高、日銀調べ

国内銀行の宿泊業への貸出残高、日銀調べ

今後のホテル業界は、金融主導の再編と同時に、サービス改革も進むとの見方がある。結婚式などで使う宴会場の需要が縮小し、あるホテル事業関係者は「少ないスタッフで運営できる宿泊特化型ホテルがさらに増えるだろう」と予想する。コロナ禍にあえぐ中でも、競争の構図は急速に変化しつつあるようだ。

(日経ビジネス 江村英哲 佐藤嘉彦)

[日経ビジネス 2021年4月19日号の記事を再構成]

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