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エアバスとボーイング、そろって赤字 コロナ影響長引く
7~9月期 航空機の需要回復遅れ、追加リストラも

2020/10/29 21:00
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エアバスは需要減に対応して1万5千人を削減する(同社のフォーリCEO、2月)=ロイター

エアバスは需要減に対応して1万5千人を削減する(同社のフォーリCEO、2月)=ロイター

世界の航空機市場の回復が遅れている。欧州エアバスと米ボーイングが29日までに発表した2020年7~9月期決算は、いずれも赤字を計上した。新型コロナウイルス禍で人の移動が停滞する中、欧米では感染再拡大による経済の下振れリスクも強まる。ボーイングは市場低迷が長引くと判断し、1万4千人の追加リストラを公表した。

■赤字は4四半期連続

「中国では回復しつつあるが、世界の需要は引き続き弱く、厳しい状況が続いている」。エアバスのギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は29日の7~9月期決算の会見でこう述べた。最終損益が7億6700万ユーロ(約943億円)の赤字(前年同期は9億8900万ユーロの黒字)となった。赤字は4四半期連続だ。

顧客である航空会社はコロナ禍による経営危機で受け取りを先延ばししたり、機体を削減したりしている。ANAホールディングス(HD)は27日、保有する機材を減らすことで整備コストを削減すると発表した。エアバスの7~9月の引き渡し数は145機で、直前の四半期よりは増えたものの回復は鈍い。

■1000機分の受注が消失

ボーイングも同様だ。28日に発表した7~9月期の最終損益は4億ドルの赤字。商用機の出荷は28機と前年同期から5割以上減った。新規受注は貨物機を中心に9機にとどまった。小型機737MAXの受注が止まっていた前年同期と比べても9割減の水準だ。航空会社の経営悪化で注文見直しやキャンセルが膨らみ、将来の収益見通しを測る受注残は4325機とコロナ禍前から1000機以上消失した。

デビッド・カルホーン最高経営責任者(CEO)は「旅客需要は最悪期を脱したものの、国際線を中心に回復ペースは想定より鈍い」と指摘し、「中・大型機の需要回復が遅れる」と懸念を示した。国際航空運送協会(IATA)によると、8月の世界の旅客需要は国内線が前年同月比51%減に対し、国際線が88%減と開きがある。

■ボーイング3万人、エアバス1.5万人削減

欧米では新型コロナの感染が再拡大し、ドイツやフランスは28日に外出制限を厳しくすると発表した。IATAは世界の航空需要が戻るのは24年と予想してきたが、感染に歯止めがかからなければさらに遅れる可能性もある。各国の外出制限による景気の落ち込みも懸念される。

今回のコロナ禍で明らかになったのは、会議などの業務がオンラインで代用できるということだ。ある日系企業の幹部は「特に海外出張は費用対効果が低い。今後は出張は減らしてオンラインに移行する」と話す。コロナ禍が収束したとしても、長期的に航空需要のマイナス要因となる。

「新型コロナの影響は深刻で、事業規模を市場の現実に合わせる必要がある」。ボーイングのカルホーン氏は従業員に宛てた書簡で1万4千人の削減についてこう説明した。航空機市場の低迷が長引くと判断し、従業員数は21年末に13万人と19年末に比べ約3万人減ることになる。エアバスも1万5千人を削減する予定で、7~9月期にリストラ費用として12億ユーロを計上した。

■逆風下の市場で乱戦

市場環境が厳しさを増す中で、二大航空機メーカーの競争は続く。

ボーイングの小型機737MAXはインドネシアのライオン航空の最初の墜落時期から29日で丸2年が経過した。ボーイングは運航再開が認められれば早期に業績が回復すると踏んでいたが、米連邦航空局(FAA)の審査が続く間に新型コロナ危機が航空業界を直撃し、再浮上のシナリオが大きく狂った。

エアバスは737MAXの不在を突いて小型機「320」の増産のタイミングをうかがい、「220」の米国生産を開始してボーイングを突き放しにかかる。

ボーイングのカルホーン氏は「シェア低下を指をくわえてみているわけにはいかない」とエアバスの動きをけん制する。大量の在庫を抱えるボーイングが値下げ攻勢に動く可能性もある。限られた市場を巡って乱戦が続きそうだ。

(ロンドン=佐竹実、ニューヨーク=中山修志)

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