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島忠買収にニトリも名乗り、喜ぶ株主と困った経営陣

日経ビジネス
コラム(ビジネス)
小売り・外食
2020/10/27 2:00
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島忠は無借金経営で財務内容が良好

島忠は無借金経営で財務内容が良好

日経ビジネス電子版

ホームセンター大手のDCMホールディングスが完全子会社化を目指し友好的TOB(株式公開買い付け)を実施中の島忠に、家具・日用品大手のニトリホールディングスが触手を伸ばしている。ニトリは敵対的買収になるのを覚悟で対抗TOBの準備を進めており、DCMとの間で島忠争奪戦になる可能性が出てきた。ニトリ参戦の報道を受けて島忠の株価は急上昇しており株主には朗報となった。一方、島忠の経営陣はDCM、ニトリ、そしてアクティビスト(物言う株主)の三方から包囲されるのは必至で、「困り果てている」(島忠関係者)ようだ。

「ニトリが対抗TOBを仕掛けるというニュースを知ってびっくりした。ありがとうと言いたい」。自らが率いるファンドを通して島忠株を8%強保有している物言う株主、村上世彰氏は10月21日、日経ビジネスの取材にこう語った。村上氏はここ数年、ずっと島忠に投資し「経営陣と株主価値の向上を巡ってやりあっていた」という。

島忠側は「いかに村上ファンドから逃れるかを考えていた」(島忠と取引のある金融機関関係者)。今回、DCMの完全子会社になることで株式市場から退出することも「村上対策から始まった帰結としてこうなった」(投資銀行関係者)との見方が強い。

さらに村上氏は、DCMによるTOB価格は1株あたり4200円と、解散価値である株価純資産倍率(PBR)1倍を下回る金額となっていることに対し「これがベストプライスとは思えない。(他社からの買収提案など)きちんとほかのプランを検討したうえでDCMを選んだのか、その過程を示してほしい」と島忠に連日詰め寄っていた。株式市場関係者の間でも「TOB価格は安い」との声が大勢を占めるなか、DCMより高値を提示することが予想されるニトリの登場が報じられた。

実は島忠は、アクティビストの間ではかなりの人気銘柄だ。東京ドームの社長解任を要求している香港のアクティビスト、オアシス・マネジメントも、今年初めの時点で6%以上の島忠株を保有しており、村上氏と同様に「(株主価値向上を求め)経営陣に対話を求めていた」(セス・フィッシャー最高投資責任者)。

オアシスはその後、島忠がなかなか変化しないと見たためか、すべての株を売却してしまった。フィッシャー氏は22日、ニトリの登場で島忠株が高騰していることを受け「ちょっと売却を急ぎすぎてしまった」と話した。

■買収される意味はどこに

島忠は無理な拡大路線とは一線を画す堅実な経営方針で実質無借金を続けてきた。手元には現預金が積みあがっている。「資産を有効活用できていない」と指摘するには格好のターゲットなので、アクティビストが群がっていたのだ。

DCMの完全子会社になれば上場企業ではなくなるため、こうしたアクティビストともサヨナラすることができる。そのゴールは目前(DCMによるTOB最終日は11月16日)のはずだった。しかしニトリの登場で様相はがらりと変わった。ニトリが提示するTOB価格はDCMのそれより高いはず。その場合、島忠の経営陣がどう対応するのかが次の焦点になる。

DCMからは「引き続きうちとやってほしい」(DCM関係者)と言われているようだが、TOB価格がより高いであろうニトリの案に島忠は反対することができるのか。仮にニトリのTOBに反対推奨して敵対的TOBとなった場合、村上氏が黙っているとは思えない。「なぜ、より高値を提示したニトリ案に賛成しないのか」という突っ込みが入るのは火を見るよりも明らかだ。

また、島忠の株価はニトリ登場の報道を受け急騰しており、DCMのTOB価格の4200円を大きく上回り、5000円をうかがう勢いだ。このままだとほかの株主もDCMのTOBには応募せず、不成立になることが予想される。島忠があくまでもDCMと組み続けるつもりならば、DCMにTOB価格の引き上げを要請しないといけないだろう。

逆にニトリのTOBに賛同し、組む相手をDCMから変えるという選択肢もある。だがその場合、今度はDCMがどう出るか。争奪戦から撤退するのか、それともさらにTOB価格を引き上げ、あくまでも島忠買収を狙ってくるのか。こうなってくると島忠は「もはやどっちにつけばいいのかわからなくなる」(国内証券会社)可能性があるだろう。

もちろん企業文化の違い、商圏や商品の重複度合い、統合効果の多寡なども買収案件では非常に重要な要素を占める。単にTOB価格だけでどちらに買収されるのが優れていると決めるのは早計だ。だが価格を無視はできない。島忠は早急に「なんのために自分たちは買われるのか」を自問自答し、パートナーを決める判断軸を確立する必要があるだろう。

(日経ビジネス 奥貴史)

[日経ビジネス電子版2020年10月23日の記事を再構成]

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