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トヨタG、ブロックチェーン実験 企業間取引や物流で

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自動車・機械
2020/11/24 19:00
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トヨタ自動車グループはブロックチェーン(分散型台帳)技術を実用化するための実証実験を本格化している。グループ横断の専門組織は福利厚生の手続きに使える独自デジタル通貨を発行し、デンソーは低温物流網での活用を検討している。通信機能を備えた自動車のデータを活用したり企業間取引で使ったりすることを見据え、実用化を急ぐ。

トヨタは2019年4月にグループ横断の専門組織「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」を設立した。トヨタのほか、トヨタファイナンシャルサービス(TFS、名古屋市)やトヨタシステムズ(名古屋市)、デンソーなど6社が参画した。パートナーとしてトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)も連携する。

ユーザー情報の管理、車の修理履歴の管理、サプライチェーン(供給網)内での製造・発送情報の管理など4分野で活用法を研究している。テーマに合わせて複数の実証実験を進めており、トヨタシステムズが12月まで手掛ける独自デジタル通貨を使った実験もだ。

社員2500人以上を対象に、1人当たり2万円分のデジタル通貨を発行。社員は専用ウェブページで、食べ物や日用品といったカタログギフトの商品や別の福利厚生に使えるポイントに交換する。仮想通貨と違い価値は変動しない。取引実績を今年度中に分析し、多数の参加者による運用面の課題を調べる。

デンソーはブロックチェーンを活用して低温物流網の実験を進める(米国で低温物流網を持つ企業のトレーラー、イメージ)

デンソーはブロックチェーンを活用して低温物流網の実験を進める(米国で低温物流網を持つ企業のトレーラー、イメージ)

インターネットイニシアティブ(IIJ)傘下で暗号資産(仮想通貨)交換を手がけるディーカレット(東京・千代田)が構築するブロックチェーン上でデジタル通貨を管理する決済基盤を使う。同社は2月以降、KDDIなどと相次いでブロックチェーンの実証実験を進めている。

決済基盤は、ブロックチェーン技術によるスマート・コントラクト(コンピュータープログラムとして書かれた契約)で取引が自動で実行される。社員がデジタル通貨を食べ物などの商品に交換すると、自動で記録がプログラムに書き込まれ、取引に応じた金額のデジタル通貨がシステム側にすぐ送られる。処理時間は短く、人の管理を少なくできるためコストを減らせる。

ブロックチェーンはインターネット上で複数のサーバーが取引記録を共有し、互いに監視し合いながら正しい記録を鎖(チェーン)のようにつないで蓄積する。整合性を確認しながら前後のデータの固まりをブロックでつなげて保存していくため、過去のデータの書き換えが難しく改ざんリスクが低いとされる。取引記録が分散しているため、一部のサーバーがダウンしてもデータ消失やサービス停止を防げる。

デンソーは17年にブロックチェーンの研究を始めた。19年のデジタル技術見本市「CES」にはコネクテッド車両のソフトウェアやデータの改ざん防止を目的とした関連技術を展示した。

現在は物流関連企業と連携して、QRコードを組み合わせた低温管理物流の温度履歴を追跡できるトレーサビリティーシステムの実証実験を進めている。さらに車両の電子制御ユニット(ECU)の動作や、各部位に分散したECU同士の連動時のデータ管理にブロックチェーンを使う仕組みも試作している。

国際団体「モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアチブ(MOBI)」は、ホンダや独BMWなどの自動車会社やIT(情報技術)大手など100程度の企業・団体が参加する。電気自動車(EV)から建物に電気を融通する仕組みを整えるため、EVを経由して供給された電気のデータをブロックチェーンで管理する統一規格を作るなど、車関連のブロックチェーン技術の研究を進めている。トヨタが本格的に乗り出すことで、車への応用がさらに広がりをみせることになりそうだ。

(広沢まゆみ)

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