メニューを閉じる
2020年12月1日(火)

システム・ソフトウエア

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる業界をフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

証拠開示と審理、年単位の時間 当面はサービス継続
米Google訴訟 争点を探る(中)

経済
ネット・IT
北米
2020/10/29 18:24
保存
共有
印刷
その他

「証拠開示の手続きだけでも2年近くかかるだろう」。国内外の独占禁止法に詳しい矢吹公敏弁護士は米司法省と米グーグルの訴訟は時間を要するとみる。

米国の裁判はまず双方が手持ち資料を出し合う手続きがある。実際の審理にはさらに時間がかかる。中間的な差し止め命令が出ない限りグーグルはビジネスを続けることができる。その限りで今の利用者が影響をすぐに受けることは考えにくい。

競争政策の専門家の間では今回の法廷闘争と約20年前の米マイクロソフト訴訟との類似性を指摘する声が多い。この先例では、和解を経て全ての措置が終わった時には司法省による提訴から10年以上が過ぎていた。

司法省がマイクロソフトを反トラスト法(独禁法)違反の疑いで訴えたのは、くしくもグーグルが誕生した1998年のことだった。当時は基本ソフト(OS)市場をマイクロソフトのウィンドウズがほぼ独占し、ネット閲覧ソフトとの抱き合わせ販売が問題視されていた。

2002年に成立した和解に従い、マイクロソフトはウィンドウズへの競合ソフトの搭載を容認し、競合企業と取引した会社への報復を禁じるなどの是正措置をとった。きちんと履行されているかの監視は11年まで続いた。

そうしてマイクロソフトが制約を受ける間にグーグルなどが成長した。競争政策の観点から当局が巨大企業に待ったをかけたことで新興企業が台頭する新陳代謝が生じたとも言える。

今回はどんな展開をたどるのか。司法省はグーグルが自社アプリを削除できないようにし、標準設定も求めたことなどがマイクロソフトと同じような振る舞いだととらえている。実際には相違点もある。マイクロソフトがパソコンメーカーの取引先を厳しく制限したのに対し、グーグルはそこまで強権的な姿勢は見せていない。

焦点は反競争的行為を裏づける有力な証拠が出てくるかどうかだ。マイクロソフト訴訟では、資金力に物を言わせて競合相手を駆逐したことがわかるビル・ゲイツ氏の直筆メールなどが続々明るみに出た。不満を証言する企業も多かった。

この教訓に学んだグーグルは「潰す」「妨害」「抱き合わせ」などの言葉を禁じる社内教育を徹底している。端末メーカーとも互恵的な関係を築いた。競争を阻害する意図を示す強い証拠が見つからなければ司法省は攻め方が難しくなる。

米国は11月3日に大統領選を控える。民主党のバイデン氏が勝てば、政治任用の司法省幹部は一新される。訴訟への影響は未知数だ。マイクロソフト訴訟は、民主党政権から共和党政権への交代などを機に和解に向かった。今回はその逆になる可能性がある。

伝統的には民主党政権はより強硬な反トラスト政策を取る傾向がある。米議会下院が6日に公表した巨大デジタル企業規制の報告書も民主党議員がまとめた。米連邦取引委員会(FTC)のコバシック元委員長は「バイデン政権になっても訴訟を取り下げはしないだろう。訴えを追加する可能性すらある」とみる。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ日経会社情報デジタルトップ

4034件中 1 - 25件

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6...
  • 次へ

業界一覧

  • QUICK Money World