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TikTok事業 米中、破局回避を模索
「米に本社設置」と中国側「支配権維持」で妥協探る

米中衝突
中国・台湾
2020/9/16 14:30 (2020/9/17 5:04更新)
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オラクルはティックトックへの出資で出遅れていたクラウド事業を強化する=AP

オラクルはティックトックへの出資で出遅れていたクラウド事業を強化する=AP

【ワシントン=鳳山太成、シリコンバレー=奥平和行】トランプ米大統領は15日、中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業見直し案を検討すると表明した。国際事業を統括する本社を米国に設ける一方、中国側が支配権を維持する案が有力だ。米中双方は利用禁止という破局を避けるため妥協点を探っている。

トランプ氏は米IT(情報技術)大手オラクルがティックトックに関与する案を「検討する」と述べ、承認するか近く判断すると表明した。同社のラリー・エリソン会長を「本当に素晴らしい人だ」と持ち上げ、同社案に前向きな姿勢をにじませた。トランプ氏は中国政府への個人情報の流出を警戒し、米企業への売却か利用禁止を運営会社である北京字節跳動科技(バイトダンス)に迫ってきた。

現行のオラクルを含む案は、米国側の要求に一部応えた。ムニューシン米財務長官によると、ティックトックのグローバル事業を手掛ける統括本社を米国に設け、2万人を新たに雇用する。米側が求める利用者データの保護については、オラクルが「信頼された技術パートナー」としてティックトックのデータが中国側に流出しないよう監視に責任を持つ。

一方、中国政府の要請にも対応した。中国当局は8月下旬に人工知能(AI)関連技術の輸出規制を導入し、ティックトック事業の完全売却に待ったをかけた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、バイトダンスが新統括本社の過半の株式を所有し、オラクルが少額出資する。米ウォルマートも出資に関心を示している。

中国政府の影響を抑えるため米国企業による完全子会社化を求めていたトランプ氏が、最終的に現行案を容認するかが焦点だ。ティックトックが米国に統括本社を置く計画を受け入れた場合、11月の大統領選に向けて雇用や税収が増えると有権者にアピールできる。1億人の利用者を抱える人気アプリの利用禁止で若年層の票が離れる事態も避けられる。

一方、バイトダンスが支配権を持ち続ければ、安全保障上の懸念は完全には拭えない。与党・共和党で対中強硬派のホーリー上院議員は「中国共産党のティックトック支配が続き、米国人のデータを危険にさらす」と指摘し、トランプ政権にオラクル案を却下するよう求める。トランプ氏にとって大統領選を前に中国に弱腰とみられるリスクがあり、慎重に票読みして判断を示すとみられる。

オラクルにとっては契約が成立すればクラウドコンピューティング部門の事業強化につながりそうだ。米調査会社のカナリスによると、2020年4~6月期の企業向けクラウド基盤サービスの世界市場規模は前年同期比31%増の346億ドル(約3兆6000億円)まで拡大した。

オラクルは企業向けの情報システムの販売が主力で、成長が続くクラウドでは出遅れていた。世界シェアは米アマゾン・ドット・コムや米マイクロソフトを下回り、トップ5にも入らない。

米国だけで1億人超の月間利用者を抱えるティックトックは動画など膨大なデータを扱い、オラクルのクラウド事業の規模を最大1割程度拡大する効果があるとの見方が出ている。情報セキュリティーの確保が焦点となっており、米政府の「お墨付き」を得ることで公的機関や金融分野などに売り込みやすくなるとの期待もある。

トランプ政権と距離を縮める狙いもありそうだ。創業者のエリソン氏はトランプ氏の後援者として知られ、2月にはトランプ氏の政治資金パーティーを企画した。一部の従業員が抗議行動を起こすなど民主党の支持者が多い米シリコンバレーでは賛否が割れているが、トランプ氏が再選されれば政府案件の受注などで有利に立てる可能性がある。

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