「Go To イート」をPRするグルメサイト
新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた飲食店の支援策「Go To イート」で、店側が客を装って自店をネット予約し、架空の実績を基にポイントを不正に得ようとしたケースがあることが農林水産省への取材で分かった。
同省は「予約サイト側の対策で防げたケースの報告は来ているが、すり抜けたものもあるだろう。悪質な件は警察に相談している」としている。
「イート」は購入額に25%を上乗せするプレミアム付き食事券事業と、予約サイトを通じて登録された飲食店を予約し、実際に利用した客に飲食代に使えるポイントを付与する事業がある。
ポイント付与事業では、店側が客の来店を確認してサイト側に報告するが、店の関係者がこの立場を悪用し、客として自店を複数人分予約した後、利用したと偽って報告したと疑われるケースがあった。
予約サイト側には不正検知の仕組みがあり、農水省によると検出例が複数報告された。予約した客が実際には利用しないのに、店に頼んで架空実績を報告してもらい、ポイントを不正取得しようとした例もあったという。
ポイント付与事業では、予約は1回につき10人分まで可能で、昼食で1人当たり500円分、夕食は1人当たり千円分が付与。一部の予約サイトは一定期間中の予約回数やポイント数に上限を設けた。
すでに主要サイトでは受け付けを終了。11月13日時点で延べ5595万人の予約があった。付与は来年1月末までで、既に取得したポイントは3月末まで使用できる。
ある飲食店関係者は取材に対し「店を経営している知人が複数の名前を使って自分の店を何度も予約し、数万円分のポイントを得て、飲食代に充てたと言っていた」と話した。
事業に参加している予約サイト「食べログ」を運営するカカクコムは取材に「不正取得を未然に防いだケースはあるが詳細は控える」とした。ぐるなびは不正事例を防いだケースがあったことを認め「農水省と連携し対応している」。「ホットペッパーグルメ」を運営するリクルートライフスタイルは「セキュリティーの観点からどのような不正があったかは答えられない」とした。
〔共同〕
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