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出版から青果サイトへ プロも小学生も食育でつなぐ
先読みウェブワールド (野呂エイシロウ氏)

コラム(ビジネス)
2019/10/7付
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NIKKEI MJ

「黄色いシャインマスカットを知っていますか」とおもむろに質問を投げかけてきたのは、anemosu(アネモス、東京・渋谷)の浅井裕子社長。通常は鮮やかな緑色で、熟すと甘みが強まるが黄色くなるため一般市場に出回らない。黄色い果実をあるシェフに紹介したところ、初めての味を体験し商品づくりの発想が広がったという。

会員制で青果を販売するアネモスのサイト

会員制で青果を販売するアネモスのサイト

そう、プロの食育とはこうなのだろう。浅井氏は25年以上にわたり食専門の出版社で編集者を務め、昨年独立した。社名はギリシャの風の神様の意味で、食の世界にいい風を送りたいと名付けた。

なじみの出版で起業したが、半年後に業務用食材を扱う事業を開始。きっかけは前職時に取材で知り合った生産者と飲食店をつなげる手伝いだった。「続けてほしいとシェフの皆さんに声をかけてもらい、青果の卸や生産者の勧めもありスタートしました」

高知の小学生が生産者と上京し伊勢丹新宿本店で販売を体験。アネモス青果も手伝った

高知の小学生が生産者と上京し伊勢丹新宿本店で販売を体験。アネモス青果も手伝った

会員制の電子商取引(EC)サイト「アネモス青果」を立ち上げ、業務用の質の良い野菜やフルーツなどを販売している。グリーンレモンや国産のタイ品種激辛唐辛子、利平栗といった品が並ぶ。

とはいえ、農作物を売るサイトはいくらでもある。一流料理人の眼鏡にかなうものを選ぶため、仕入れには老舗青果店や市場のベテラン仲卸の協力を得た。「料理人が知らないものを伝えるのも私の役割」と浅井氏。先のシャインマスカットのような話だ。

今扱う太秋柿はなんと緑色。これからの季節は秋メロンもお勧めで夏よりコクがあるという。ECサイトを通じてリアルな味や食材を伝える。農家は料理人を知り、料理人が農業を学ぶ。すると客により深く味を表現できる。

「日本のレストランの調理技術は世界トップレベル、ホスピタリティーも素晴らしい。ところが意外と1次産業や素材の知識は深くない」。若い頃は技術の習得に一生懸命で、シェフになって初めて産地を訪問するケースも多いという。「会員店舗の若いスタッフを集めて、産地訪問ツアーなどをしたい」

のろ・えいしろう 愛知工大工卒。学生時代から企業PRに携わり、出版社を経て日本テレビの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で放送作家デビュー。戦略PRコンサルタントとしても著作多数。愛知県出身。

のろ・えいしろう 愛知工大工卒。学生時代から企業PRに携わり、出版社を経て日本テレビの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で放送作家デビュー。戦略PRコンサルタントとしても著作多数。愛知県出身。

子ども向けには、高知市の小学6年生が伊勢丹新宿本店で伝統野菜の販売を体験するのを手伝った。地元の食を他人に説明すると、自分たちも深く知ることにつながる。口に入るものを真剣に伝える。食育の原点かもしれない。

「子ども向けの本も出版し、将来は食の仕事に就きたい子どもを増やしたい」と浅井氏は熱く語る。サイトでは料理人や農家へ情報を伝える。編集者だけあって、給食に関して取材した記事などをブログのnoteで発信。フェイスブックでは「#今日こどもとなに食べた?」のハッシュタグを立ち上げ、様々な親が我が子に食べさせた料理の写真や文章を共有する。

リアルでもパン職人が自分の子どもと一緒にパンを作る本が進行中。我々は生涯では数え切れない量の食を楽しむ。食を知ること、つまり食育は死ぬまで終わらない。

[日経MJ2019年10月7日付]

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