米ツイッター社に投稿削除を命じた24日の最高裁判決を受け、原告の代理人を務める田中一哉弁護士は判決言い渡し後に都内で取材に応じ、「我々の主張を完全に認めてくれた。(ネット上に残る投稿に)悩む人の救済にも役立つ」と評価した。
ツイッター上では、原告の男性が約10年前に逮捕された事実に言及した投稿が閲覧できる状態にある。田中弁護士は「生活への影響は甚大なものがあった」として、ネット利用者に向けて「軽はずみな投稿は控えるべきだ」とも呼びかけた。
法務省によると、2019年1月~21年10月、同省が人権侵害にあたるとしてSNS(交流サイト)事業者などに削除を要請したインターネット上の投稿や記事は1173件に上る。内訳はプライバシー侵害が541件で最多で、名誉毀損が237件だった。
1173件のうち3割にあたる355件は、事業者が削除に応じなかった。法務省の担当者は「発信者の表現の自由の侵害に当たるとの批判を受けるリスクもあり、事業者側が慎重になっていることが一因」とみる。
「Amebaブログ」などを運営するサイバーエージェントは通信業界団体のガイドラインに沿って対応しているという。同社は「権利侵害に当たるとの判決が出た場合はそれに沿った対応変更も検討していく」としている。
SNS投稿の削除などに詳しい山岡裕明弁護士は「事業者がどのような基準で削除要請に対応するかはなお曖昧さが残っている。今後も判例を積み重ね、明確な救済基準を確立させていく必要がある」と話した。
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