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サハラ砂漠のカフェ 独りで営む高齢女性を映画に

文化往来
2022/8/18 5:00
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バイク旅行で店に立ち寄った女性とおしゃべりするマリカさん(右)©143 rue du désert Hassen Ferhani Centrale Électrique -Allers Retours Films

バイク旅行で店に立ち寄った女性とおしゃべりするマリカさん(右)©143 rue du désert Hassen Ferhani Centrale Électrique -Allers Retours Films

アフリカ大陸北部、サハラ砂漠を貫く道路沿いにぽつんと立つ1軒のカフェ。電気も水道もない小さな店を独りで切り盛りしているのは、マリカさんという高齢女性だ。彼女の日常をとらえたドキュメンタリー映画「サハラのカフェのマリカ」が8月26日から日本公開される。

トラック運転手やバイクの旅人、聖職者らさまざまな人たちが、移動の途中に立ち寄る。アルジェリア出身のハッセン・フェルハーニ監督は「主人公が動かない〝ロードムービー〟を目指した」と語る。

カフェはお茶やオムレツなど簡単な食事を出す簡素なもので、広さは20平方メートルほど。店舗とマリカさんの住居を兼ね、1990年代前半にオープンした。飼い猫と戯れながら客が来るのを待ち、小さなテーブルを挟んで客と雑談を交わし、夜になるとランプに火をともす毎日だ。

ハッセン・フェルハーニ監督

ハッセン・フェルハーニ監督

監督は友人の作家とともに店を訪れてマリカさんにたちまち魅了され、映画制作を思い立ったという。「内面から醸し出すオーラに圧倒された。彼女は客が来るまで長い時間、苦もなく待つことができる人。しかも自らの半生を語る客の話にじっと耳を傾ける。カフェは砂漠の真ん中にある休憩場所ではあるが、彼らが一番求めているのは話を聞いてくれるマリカさんの寛容さではないか」

撮影スタッフは、カメラを兼務する監督と音声マイク担当の2人だけ。60キロメートルほど離れた宿からカフェに通い取材した。「都会でカフェを経営する女性はいても、マリカさんのように砂漠で独り営む女性はとても珍しい」と監督。なぜたった独りで店を開いたのか、家族はいるのか。観客はマリカさんが映画の中で語る言葉から類推するしかない。「マリカさんは自分のすべてを語らない。自分を守る彼女のすべなのだろう」

店をオープンしたころと違い、近隣にライバル店が出現する動きもあり、砂漠の暮らしにも社会の変化が垣間見える。砂の上でのんびりと昼寝をしたり、質問攻めにする客にぶぜんとしたり。カメラを前にしてもマリカさんはマイペースを貫く。「たとえ困難があっても、自分らしい人生をどう送るか。マリカさんを取材して私自身、人生というものについていろいろと学んだ」と監督は振り返った。

(関原のり子)

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