見知らぬ男女、寝台車の旅 中条省平(映画評論家)
東京・新宿の新宿シネマカリテほかで2月10日公開 (C)2021 - Sami_Kuokkanen, AAMU FILM COMPANY
2021年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品。素晴らしいロード・ムーヴィーで、早くも本年屈指の収穫というべき秀作だ。
舞台は1990年代のロシア。ヒロインのラウラはフィンランド人。恋人に振られ、モスクワから寝台列車に乗って、世界最北端の駅ムルマンスクに向かう。2昼夜もかかる列車旅行は、北極近くの先史時代の遺跡、ペトログリフ(岩面彫刻)を見るためだ。
狭い寝台車のコンパートメントの同乗者は、丸刈りの若いロシア男で、酔っぱらって下品な口をきき、煙草(たばこ)をふかす。しかも、2人分の席なのに勝手に赤ん坊連れの母親を座らせたりする。最悪の旅だ。…
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