めぶきフィナンシャルグループ(FG)は27日、傘下の常陽銀行と足利銀行に投資専門子会社を設立すると発表した。今後はコロナ禍で経営不振に陥る地域企業が続出する可能性は高い。両行は事業会社への100%出資も可能とする規制緩和を活用し、後継者難や経営難の取引先支援に従来以上に深く関与する。
常陽銀は少額出資している投資会社いばらきクリエイト(水戸市)の残りの株式を地元金融機関などから買い取った後、商号を21年1月1日付で常陽キャピタルパートナーズ(同)に変更する。既存ファンド2本の管理は引き継いだ上で、事業再生と事業承継のファンド2本を立ち上げる。
いばらきクリエイトの従業員らもそのまま引き継いだうえ、常陽銀から行員を送り込んで体制を拡充する。いばらきクリエイトは設立から15年以上が経過し、事業再生のノウハウを蓄積していることから、衣替えにより常陽銀の完全子会社として再出発することを決めたという。
足利銀は21年2月1日付で全額出資子会社のウイング・キャピタル・パートナーズを設立する。現在はシンクタンクのあしぎん総合研究所(宇都宮市)がファンド運営も手がけているが、21年4月から新会社に業務を移す。
これまで銀行やその子会社は事業会社の議決権を5%までしか保有できなかった。19年10月の規制緩和で投資専門子会社が出資するファンドに限り、期間限定ながら事業会社の議決権を100%保有することも可能になった。劣後ローンや社債の引き受けにとどまらず、過半出資や役員派遣を通じてより深く支援先の経営に関与できる。
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