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低成長・カネ余りという新常態(平山賢一)
東京海上アセットマネジメント 執行役員運用本部長

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2020/11/13 2:00
情報元
日本経済新聞 電子版
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世界的なコロナショックの影響だけではなく、長期的な経済社会の変化を見ていくとき、わたしたちは、低成長の常態化が、今年始まったものではないことを知るでしょう。第二次世界大戦後、高度経済成長期を除いて、経済成長率は趨勢的に低下してきたからです。

明治期以降のわが国の経済成長率(インフレ率の影響を除いた実質経済成長率)は、1940年代だけは第二次世界大戦の影響でマイナスに落ち込むものの、おおむね2%から4%の成長率のレンジ内に収まっていました。1950年代や1960年代は、戦後の復興による反動から経済成長率は10%前後まで高まり、わが国は高度経済成長期を謳歌しました。しかし1970年代以降は、趨勢的に経済成長率は低下し、現在は1%前後で低迷しています。

この人口と経済の関係を考えるために、図を確認してみましょう。横軸が人口増加率、縦軸が実質経済成長率を10年ごとにプロットしたものであり、明治期に相当する1880年代から2010年代(2016年まで)の推移を示したものです。明治から大正期(1912年から1926年)にかけて人口増加率は、一時的には1.6%程度まで近づく年もあり、1920年代および1930年代は、平均すると1.3%強のペースで人口が増加していました。しかし、第二次世界大戦で多くの戦死者が記録され、人口増加率は低下するものの、終戦後のベビーブームで盛り返しを見せます。その後、人口増加率は低下基調に転じ、1880年代以降の人口増加率の平均0.91%を、1970年代から1980年代にかけて下回り、さらに2010年代にはマイナスに落ち込んでしまいます。わが国は、人口減少社会に陥ったわけです。

人口増加率が高ければ、それだけ多くの消費需要や設備投資需要が生じるため、経済の拡大ペースは速まるはずです。有史以来の世界の人口増加率と経済成長率の関係を調べると、両者は概ね比例関係にあります。図でも、第二次世界大戦期を除けば、右肩上がりの関係がイメージできるでしょう。

国際連合の中位推計では2050年にはわが国の人口増加率はマイナス0.5%を下回るとされていますから、人口増加率の観点からは経済成長にとって下方圧力がはたらくことが予想されます。また、世界に目を転じても人口増加のペースは緩慢化しており、低成長経済の常態化は避けられないと言えるでしょう。

経済成長の低迷は、投資機会の減少をもたらし、累増した投資資金の行き場が限られ、カネ余りも常態化させています。従来の金融は、「いかにして有利に資金を調達すべきか?」がテーマであったのに対し、これからの金融は、「いかにしてマイナスにならないように資金を運用すべきか?」という課題に軸足が移行しているといってよい…

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