産業用ドローン(小型無人機)開発の自律制御システム研究所(ACSL)が11日発表した2020年4~9月期の単独決算は、最終損益が3億9600万円の赤字(前年同期は8400万円の赤字)だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響でドローンの実証実験や新規案件の受注が延期になり、売上高が前年同期比61%減の7800万円にとどまった。
21年3月期の売上高を14億~17億円とする業績予想は据え置いた。早川研介最高財務責任者(CFO)は「コロナ禍で企業が新規事業への投資を絞ったり、営業活動が難しくなったりした」と理由を説明。「売り上げの計上が第4四半期に偏る傾向が強まった」と述べた。
同社はドローンのセキュリティーを課題とみる政府などの動きを踏まえ研究開発費を増やす方針。11日、スタートアップに投資するコーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)を12月に設立すると発表した。リアルテックホールディングス(東京・墨田)と組み、最大10億円のファンドを組成する。
センサーや人工知能(AI)などの技術を持つ会社に出資し、「自社のドローン技術の進化につなげる」(鷲谷聡之社長)。飛行制御など自社が強みをもつ分野を外部の技術で補い、効率的に研究開発を進めたい考え。
台風や豪雨などの災害時に、自治体から要請があれば空撮や物流用のドローンと操縦者を無償で派遣する取り組みも新たに始める。ACSLは空撮や物流、点検で需要の開拓を狙う。海外では新型コロナ禍を機に商機が広がるとみるドローン企業があるが、日本では足元の実験などが停滞しており、下期に受注を増やせるかが問われる。
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