門司税関が21日発表した2020年の九州経済圏(九州7県と山口、沖縄県)の貿易統計(速報値)は、輸出額が前年比13%減の7兆4654億円だった。19年に続き、2年連続で輸出額が前年を下回った。新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が冷え込み、自動車輸出が1兆7722億円と前年比21%減ったことが響いた。
2020年の貿易統計を発表する門司税関の幹部(21日、北九州市)
門司税関の大内伸司調査部次長は21日の記者会見で「1979年に統計を取り始めて以来、輸出の減少率は86年(22%減)と09年(31%減)に続く過去3番目の大きさとなった」と説明した。
自動車輸出の減少は9年ぶり。米国向けが24%、欧州向けが58%、それぞれ落ち込んだ。一方で、トヨタ自動車の高級車「レクサス」がけん引する中国向けは9%増え、5年連続で過去最高を更新した。
自動車以外では、中国や韓国メーカーとの競争が激しい船舶の輸出も3669億円と30%減少した。韓国からの引き合いが強い半導体製造装置は、57%増の6036億円と年間を通じて好調だった。
輸入額は19%減の5兆4445億円。原油が価格下落で35%減の9144億円に縮小した。輸出から輸入を差し引いた額は2兆208億円の輸出超過となった。
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