【バンコク=村松洋兵】東南アジア最大規模の新車市場であるタイで2日、自動車展示会「タイ国際モーターエキスポ」が開幕する。バンコク近郊を会場とし会期は13日まで。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ新車販売は回復傾向にあり、車各社は電動車を投入して消費の喚起を狙う。
タイに海外最大の生産拠点を持つ三菱自動車は1日、多目的スポーツ車(SUV)「アウトランダーPHEV」をタイで発売すると発表した。日本以外で初めてプラグインハイブリッド車(PHV)を現地生産する。当初2021年を予定していたが前倒しする。
価格は164万バーツ(約570万円)からで、21年3月末までに予約すれば家庭用充電設備の費用を2万バーツ補助する。同社タイ法人の一寸木守一社長は「顧客は新しいライフスタイルを楽しめる」と強調した。
中国・上海汽車集団とタイ財閥チャロン・ポカパン(CP)グループの合弁会社「SAICモーター―CP」も1日、電気自動車(EV)のステーションワゴン「MG EP」を発売した。中国から部品を輸入しタイで組み立てる。価格は98万8千バーツとし、以前から販売しているSUV型のEVより約2割安くした。
トヨタ自動車は東南アジアで初のEV投入となった高級車「レクサス」のSUV型EV「UX300e」を展示する。日本から完成車を輸入し、349万バーツで販売する。11月末にインドネシアとほぼ同時に予約受け付けを開始していた。
例年12月ごろに開くモーターエキスポは「バンコク国際モーターショー」と並ぶタイの2大車展示会だ。19年は3万7489台を販売した。
タイの1~10月の新車販売台数は前年同期比27%減の約61万台で推移する。感染防止対策で経済活動が厳しく制限された4月は前年同月比65%減まで落ち込んだが、制限の緩和に伴い10月は同1%減まで持ち直した。
タイ政府は景気刺激策の一環で、ガソリン車からEVへの買い替え支援策を検討している。国内でのEV生産も促しており、車メーカー向けの投資優遇策の内容を刷新して11月に再導入した。
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