独立行政法人国立病院機構などが発注し、九州地方の病院へ納入する医薬品の入札で談合したとして、公正取引委員会は24日、アルフレッサ(東京・千代田)など医薬品卸会社5社に独占禁止法違反(不当な取引制限)で計約6億2700万円の課徴金納付命令を出した。うち3社には調査への協力の度合いに応じて課徴金の減算率が決まる「調査協力減算制度」を初適用した。
処分対象になったのはアルフレッサホールディングス(HD)傘下のアルフレッサ、スズケングループの翔薬(福岡市)、東邦HD傘下の九州東邦(福岡市)の大手3社の系列のほか、地場のアステム(大分市)と富田薬品(熊本市)の計5社。
各社はいずれも課徴金減免(リーニエンシー)制度を利用した。調査協力減算制度が適用された3社については、申告順による減免率に加え、アルフレッサに40%、アステムと富田薬品に20%の減算率が加算された。
減算制度は2020年施行の改正独禁法で導入された。企業側が調査に協力するインセンティブを高め、効率的に事件を調査する狙いがある。減算率は企業からの報告が事件の真相解明に資するか、資料によって裏付けられているかなどの3つの要素を考慮して決定する。
5社には再発防止を求める排除措置命令も出された。公取委はメディパルHD傘下のアトル(福岡市)も関わったと認定したが、最初に違反を自主申告したことから行政処分を見送った。
国立病院機構は毎年度、九州地区31病院の医薬品を一般競争入札で発注していた。公取委によると、違反行為のあった6社は遅くとも16年6月から会合を開いて受注予定者を医薬品群ごとに決定。入札価格についても情報交換していたといい、独禁法違反に当たると認定した。
違反が認定されたのは16年から4年分にわたる入札。医薬品計約2万5000品目が対象で発注額の総額は850億円だった。そのうち約9割の品目を6社が受注したという。
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