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「利益3割海外で」に布石 中部電、5千億円共同買収

2019/11/26 19:32
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中部電力三菱商事と共同でオランダの電力会社エネコの買収で優先交渉権を取得した。総額5千億円、中部電分で1千億円という過去最大のM&A(合併・買収)に踏み切る背景にあるのが2つの経営目標だ。経常利益の3割を海外で稼ぎ、再生可能エネルギーの発電容量を倍増させる。電力大手を保護した地域独占の護送船団方式が崩れる中、従来にない積極的な打ち手に活路を見いだす。

記者会見に応じる中部電力の勝野哲社長(26日、名古屋市)

記者会見に応じる中部電力の勝野哲社長(26日、名古屋市)

26日に名古屋市で開いた記者会見で、勝野哲社長は「(エネコ社は)再生可能エネルギーに強く、小売自由化の先進地の欧州で築いたノウハウも参考になる」と述べた。

関西電力九州電力などが共同でシンガポールの電力会社を買収した事例はあるが、中部電として電力会社を全額出資子会社化する案件に参画するのは初めてだ。巨額買収を決めた理由のひとつが再生エネの拡充だ。

政府はエネルギー基本計画の中で、2030年までに再生エネの比率を22~24%に引き上げる方針だ。現在、約16%(太陽光発電などの固定価格買い取り制度分を含む)で平均的な比率の中部電は同年をメドに再生エネの発電容量を原子力発電所1.5基分に相当する200万キロワット以上積み増し、国が求める基準を超える構えだ。

再生エネを巡っては、一定以上の規模の水力発電や太陽光発電の用地を確保するのは困難になってきており、次の主軸として洋上風力発電が注目されている。この分野でエネコ社は実績を積み重ねてきた。欧州と日本の沖合は水深が異なるが、「運転や保守など参考にできる部分は国内に生かす」(勝野社長)。

ふたつ目が事業ポートフォリオの多様化と脱国内依存だ。少子高齢化と省エネ化で国内の電力需要は低迷しており、国内電力事業が経常利益の75%以上を占める現状のままではリスクが大きい。18年3月期に掲げた中長期の経営ビジョンでは、20年代後半をメドに経常利益で同期の倍にあたる3割(約800億円)を海外で稼ぐ体質に変える目標を掲げた。

海外の利益は持ち分法適用会社JERAの海外事業を通しても取り込めるが「それだけでは不十分」(中部電幹部)。中部電本体でも海外企業に直接出資し、海外割合を高める必要がある。

共同買収の発表から一夜明けた26日の株式市場では、中部電株は前日比0.3%安で終えた。「エネコ社が計画する発電容量の増加を考慮すれば割高とは言えない」(国内証券のアナリスト)との声もあるが、市場はシナジー効果を慎重に見ている。

11年3月の東日本大震災後に本格化した小売り自由化や発送電分離で、電力大手の競争環境は護送船団方式時代にくらべはるかに厳しくなった。国内の電力需要が先細りする中、M&Aなどで海外に打って出なければ事業規模は必然と縮小する。東京電力とJERAを立ち上げたり、大阪ガスと首都圏小売会社を設立するなど、業界の中でも再編に前向きな中部電の事業改革は続く。

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