三井物産は26日、オランダのトマト種子会社、トタム・シードを買収すると発表した。オランダはIT(情報技術)を活用して栽培環境を制御するスマート農業の先進国で、ノウハウ蓄積を狙う。新たな栽培法に適した種子の開発や、中国やロシア、東欧などへ種子販売を目指す。
三井物産が75%、同国で最大のトマト生産者団体が25%を出資する。三井物産の出資額は非公表だが、数億円程度とみられる。共同で出資する生産者団体は、トマトの生産で環境制御型ハウスを展開する。
ハウス内部は温度・光・湿度をソフトウエアやセンサーなどで制御。通常のビニールハウスと異なり、外部の気候影響を受けない環境づくりや省人化が可能で、寒冷地域や中国の農家を中心に広がっている。協業では、同様の栽培方法に適した種子をトタム・シードと開発して、各国での販売や技術支援を行う。
食糧需要の拡大や健康志向の高まりで、野菜の種子市場は伸びている。なかでもトマトは世界市場で最多の2割超を占める重要な品種だ。三井物産は種子事業を戦略領域と位置づけており、出資を通じて種子の開発力を高める。
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