石川県では繊維機械などが落ちこんだ(金沢港)
大阪税関が26日に発表した2020年の北陸3県の貿易概況によると、輸出額は3664億円と19年比21%減った。リーマン・ショックの影響が残っていた10年以来の低い水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて企業活動が停滞し、建設機械や金属加工機械などの輸出が落ちこんだ。一方、車載向け半導体など電子部品は回復した。
品目別にみると建設用・鉱山用機械が43%減、金属加工機械が35%減だった。科学光学機器も55%減った。ある工作機械メーカーの担当者は「需要減は底を打った感があるものの、依然として苦しい」と話す。アジアの一部で半導体・自動車向けなどの需要は持ち直しつつあるのに対し、主力の欧米市場が振るわない。
半導体等電子部品は72%増えた。電源製造のコーセルでは半導体製造装置向けが伸びている。アジアが好調といい、20年5~11月期の連結売上高は前年同期比15%増えた。医療機器分野でも「新型コロナの感染拡大で人工呼吸器向けの引き合いが強まっている」(谷川正人社長)。
県別では石川が32%減と、3県のなかで減少率が最も大きかった。新型コロナの影響を強く受けた建設用・鉱山用機械、金属加工機械に関連する企業が多いほか、アパレルの不振によって繊維機械も低調だった。富山は15%、福井は8%それぞれ減った。
北陸3県の輸入額は21%減の3732億円。非鉄金属や石炭などが減った。輸出額、輸入額とも2年連続で前年実績を下回った。
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