三菱重工業は26日、次世代エネルギーや低炭素技術などの分野に今後3年で900億円を投資すると発表した。水素を混焼することで二酸化炭素(CO2)の排出を減らす火力発電向けタービンやエンジンなどの機器開発を進めるほか、CO2の回収や活用などの分野で海外での事業参画や投資を増やす。航空機関連や石炭火力事業に逆風が吹く中で、新たな収益源を育てる狙い。
次世代エネルギー分野を「エナジートランジション」とし、この事業領域での売上高を2023年度に500億円、30年度に3000億円に高める。世界的な脱炭素の流れを背景に、環境負荷の低い技術開発が求められている。同社は50年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質、ゼロにする「カーボンニュートラル(炭素中立)」を目指す計画。この達成に向けてエナジートランジションを中核に据える。
火力発電では、既存のガス火力発電設備の効率化のほか、ガスや石炭火力との併用でより高効率な設備の開発、供給を目指す。子会社の三菱重工エンジニアリングが持つCO2回収技術なども活用し、CO2の回収や活用分野への投資を増やすほか、海外では水素やアンモニアの製造プロジェクトなどに参画する。
こうした成長投資を進めるにあたり、同社初の取り組みとしてグリーンボンド(環境債)を発行。風力や水素、地熱といった再生エネルギー関連に投じる。
加口仁常務執行役員は説明動画で「エナジートランジションの実現にはこれまで培った技術基盤や人材基盤を最大限生かす。成長性の高いポートフォリオに組み替え、水素やCO2の回収や利用の新事業で3000億円の売上高まで成長させたい」と意気込みを語った。
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