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金沢ブルワリー、廃棄パンからビール 食品ロス削減

石川
北陸
サービス・食品
2020/10/28 18:29
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地ビール製造の金沢ブルワリー(金沢市)は、廃棄されるパンを原料にしたビールを開発する。ベーカリーから不要になったパンを仕入れ、食品ロスの削減につなげる。ビールは2021年春以降の販売を目指し、売り上げの一部は生活困窮者などに食品を配給するフードバンクに寄付する。

粉砕した廃棄パンを麦芽に加えて醸造する

パンの仕入れ先は北陸の地元企業などを想定する。乾燥させ、粉砕して大麦の麦芽と混ぜて使う。水を加えてできあがった麦汁に酵母を入れ、熟成やろ過を経てビールを醸造する。食パンなどを使うビールを開発する。

パンを加えると味は「小麦を多く使う白ビールに近く、独特のクセが出る」(鈴森由佳社長)という。香り付けにコリアンダーといったスパイスや、かんきつ系の果物などを添加する。原料の配合や味などについて試行錯誤を繰り返し、21年3月までに完成させる。

売り上げの一部は寄付に回す。廃棄される前の食品を生活困窮者などに届ける活動で知られるフードバンクや、子供の貧困対策に取り組む「子ども食堂」に寄付する。ビールを通じて地域社会に貢献し、持続可能なビジネスを目指す。販売価格や寄付額は開発段階でのコストなどを考慮し決定する。

きっかけは鈴森社長が知人から、欧州の醸造所が食品ロス削減に取り組んでいると聞いたことだった。廃棄されるパンを使ったビールを販売し、売り上げをNPOに寄付する事業者もある。鈴森社長は「ビール造りを通じて社会貢献できる点に魅力を感じた」と話す。

こうした取り組みは、日本ではまだ一部にとどまる。長野県野沢温泉村の「AJBブルワリー」はパンの耳を使ったビールを製造し、売り上げの1%を食品ロス削減の活動費に充てている。金沢ブルワリーは19年から構想を練り始め、北陸で初めて開発への道筋をつけた。

農林水産省などの推計によると、食べられるにもかかわらず廃棄される食品ロスの量は17年度が612万トンだった。このうち食品メーカーや卸売業など事業者が出す328万トンについて、国は30年度までに約2割減の273万トンまで削減することを目指している。

金沢ブルワリーは、市内では初のクラフトビール醸造所として15年に創業した。年間で約35キロリットルの生産能力がある。19年3月期の売上高は3000万円弱。これまで地元のユズやほうじ茶を使ったビールを製造、販売してきた。鈴森社長は「ビールをきっかけに、食品ロスの問題に関心を持ってもらえるようにしたい」と話す。

(前田悠太)

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