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「幻の茶」消滅の危機 富山、後継者育成が急務

2020/3/28 12:14
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富山県朝日町蛭谷地区には室町時代から飲まれていたとされる、全国的にも珍しい「バタバタ茶」が伝わる。現在、朝日町商工会の平木利明さん(73)だけが製造技術を知る「幻の茶」で、担い手不足で消滅の危機に直面。伝統文化を残すため、後継者育成が急務となっている。

 富山県朝日町蛭谷地区で「バタバタ茶」の茶会を楽しむ住民ら=共同

バタバタ茶は茶葉を発酵させて作る黒茶の一種。鍋で煮出し、茶せんで「バタバタ」と泡立てて飲むことからその名が付いたと伝わる。プーアル茶に似た苦味のある風味が特徴だ。国内で古くから伝わる製法で黒茶を生産しているのは朝日町のほか、徳島、愛媛、高知の一部のみという。

専門家によると、室町時代には浄土真宗の布教の際にもふるまわれた。富山県東部から新潟県南部で飲まれていたものの、現在では蛭谷地区にのみ茶会を開く習慣が残る。同地区の集まりでは、漬物や山菜など総菜を持ち寄り、バタバタ茶を飲みながら世間話を楽しむ。

富山県内の1社のみが少量を製造していたが、経営者が高齢化。町の文化として残すために、町商工会が中心となり1989年から製造を始めることになった。白羽の矢が立ったのが平木さんだった。

ただ、製造には長年の経験に基づく繊細な温度管理が必要。平木さんは引退した業者から指導を受け、生産が軌道に乗ったのは2003年になってからだった。平木さんは「葉の状態、気温などによって必要な対応が違う。出来上がる茶も毎年同じ風味ではなく、子育てと同じだ」と苦労を語る。

朝日町もバタバタ茶の普及に力を入れる。10年に同地区の保育所跡を利用して「バタバタ茶伝承館」を設立。地域の住民に交ざって気軽に茶会を体験できるため、観光客も多く訪れる。

問題はバタバタ茶の製造技術を受け継ぐ後継者がいないことだ。習得に時間がかかる上に、専業で生活できるか分からない。平木さんは「消滅の危機を乗り越え、地域全体でつくり上げた文化。なんとか次世代につなげていきたい」と話した。〔共同〕

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