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目指せ「純福島産」日本酒 県が15年かけ酒米開発

2019/8/21 11:25
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全国新酒鑑評会の都道府県別の金賞数で7連覇を果たした福島県が、酒米を独自開発し「純福島産」の日本酒づくりに力を入れている。金賞を得た酒のほとんどが兵庫県産の山田錦に依存している現状を打破し、一貫生産でブランド価値を高める狙い。東京電力福島第1原子力発電所事故による風評被害で下がった県産食品のイメージを回復させる期待も背負う。

全国新酒鑑評会の金賞数で7年連続日本一となり、喜ぶ福島県の内堀雅雄知事(前列中央)ら(5月、福島県庁)=共同

「福島の酒の魅力向上に欠かせない期待の大型新品種」(県農業振興課)。県が15年かけて開発した酒造好適米「福島酒50号」は、コメの中心部の心白が他の酒米に比べ大きく、水分を多く含み、こうじ菌が繁殖しやすい。出来上がった酒は香りが強く、すっきりした甘みが特徴。公募案の中から正式な名称を年内に決め、品種登録する。

清酒の出来栄えを審査する5月の全国新酒鑑評会で、福島県内の酒蔵が獲得した金賞の数が全国初の7年連続の日本一となった。原発事故の風評被害の払拭に取り組む内堀雅雄知事は、日本酒を「復興のトップリーダー」と位置付ける。日本酒躍進の勢いを借りて県産品への偏見をなくしたい考えだ。

ただ鑑評会に出品される酒の多くは兵庫の山田錦を原料に使っている。県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターの担当者は「山田錦は精米しやすく、上品な味わいで、大吟醸向きのコメ」と評価する。福島県は1991年から県独自の酒造好適米「夢の香」を約10年かけて開発し、2001年から本格栽培を始めたが、高級酒では山田錦の牙城を崩せなかった。

福島県は「山田錦と比べて遜色ない品種を作ろう」と酒造好適米の開発を継続。04年から改良を重ね、福島酒50号を約1万株の苗から厳選した。

本格栽培は来年からの予定だが、酒蔵に浸透するかどうかは課題もありそうだ。17年に試験醸造に協力した同県会津若松市の鶴乃江酒造取締役の林ゆりさん(46)は「仕込みの際に溶けやすく、扱いづらいが、福島の酒らしい、甘みのある酒がつくれた。ただ、毎回同じ味を再現するのが難しい」と話した。

県農業振興課の担当者は「手間がかかるが、慣れれば克服できる」と自信を見せる。20年東京五輪・パラリンピックの歓迎行事で振る舞い、世界に発信したい考えだ。

〔共同〕

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