【ニューヨーク=西邨紘子】製薬大手の英アストラゼネカが、北朝鮮系とみられるハッカー集団からサイバー攻撃を受けていたことが分かった。同社が開発を手掛ける新型コロナウイルスワクチンの情報を狙った可能性もあるが、成功しなかったもようだ。
ロイター通信が27日、関係者の話として報じた。ハッカーは求人関係者を装い、SNS(交流サイト)のリンクトインやワッツアップ上でアストラゼネカの従業員に接触。職務内容の情報の文書と見せかけマルウエア(悪意のあるプログラム)を送りつけ、業務用コンピューターからデータを盗み出そうと試みた。
幅広い職務の従業員が攻撃の標的となり、中にはワクチン開発に関わる研究者も含まれていたという。米当局やサイバーセキュリティーの専門家は手法が似通っていることから、北朝鮮系のハッカーによる攻撃と判断した。
新型コロナの世界的な感染拡大に歯止めがかからない中、ワクチンや治療薬の情報を巡る国家ぐるみの攻防も激しさを増している。7月、米英とカナダの当局は連名で、ロシアのハッカー集団によるワクチン研究機関へのサイバー攻撃を非難する声明を発表。韓国は11月、国内の新型コロナワクチンメーカーに対する北朝鮮のハッキングの試みを阻止したと明らかにした。
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