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7500億円で買収完了の日立、「事業価値2倍に」の勝算

日経ビジネス
2020/7/7 2:00
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日立製作所は2日、オンラインで会見を開いた

日立製作所は2日、オンラインで会見を開いた

日経ビジネス電子版

日立製作所がスイスABBの送配電網(パワーグリッド)事業の買収手続きを完了した。買収額は日立として過去最大の7500億円。無事に手続きを終えたとはいえ、買収を決定してから対象事業の売上高は1割ほど減少したもようだ。コロナ禍で送配電事業者の投資も後ろ倒しが続く。データを活用する「ルマーダ」事業との相乗効果で成長軌道に戻せるか。

スイスABBのパワーグリッド事業を承継する新会社「日立ABBパワーグリッド」が7月1日付で発足した。日立が約7500億円(アドバイザリー費用などを含む)を投じ、ABBから分割された事業会社の株式の80.1%を取得した。日立は2023年以降、ABBが持つ残りの19.9%の株式を取得して完全子会社にする予定だ。

発電側の脱炭素化が進み、需要側も再生エネルギーの活用を希望する中、需給調整などの高度な機能を持った送配電網への投資が増えると見込む。日立ABBパワーグリッドの会長に就任した西野壽一氏(日立副社長)は、2日に開いたオンライン会見で「24年度には企業価値を今の2倍にしたい」と意気込んだ。

ただし、送配電網の市場には新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出ている。西野氏も「送配電事業者も運輸などのインフラ企業も投資を後ろ倒しにしている」と認める。それでも日立は買収を発表した18年12月時点で評価した110億ドル(約1兆1800億円)という企業価値を変えず、予定通りのスケジュールで手続きを終えた。「後ろ倒しはあるが、今までにないほど受注が積み上がっている」(西野氏)ことを評価した。

17年12月期の売上高が100億ドルだった買収事業の売上高が減少傾向にあることも意に介さない。18年以降、ABBはパワーグリッド事業そのものの数字は公開していないが、同事業を含む「非継続事業」の売上高は19年12月期に90億ドルまで減っている。少なくとも1割は減った計算だが、西野氏は「構造改革を進めてきた結果」とし、想定内だと説明した。

■「新会社設立は日立にとっての黒船来航」

「新会社の設立を黒船来航に例えている」。オンライン会見に登壇した日立の東原敏昭社長はこう述べた。「日立を真のグローバル企業にする変革のドライビングフォース(駆動力)のために、意図して呼び込んだ黒船だ」

ABBのパワーグリッド事業の買収によって3万6000人の社員が加わり、日立グループの海外人材比率は初めて50%を超える。日立が世界で戦うために描いたのは、データを活用するIT(情報技術)基盤である「ルマーダ」と、世界トップレベルの製品を組み合わせ、世界中の人材が地域ごとのニーズに合った社会イノベーション事業を展開するという事業モデルだ。パワーグリッド事業をそのお手本とし、日立全体の事業のあり方や企業文化を世界で通用する形に変えていく狙いがある。

「買収が決まってからABBの株価は上がったが、日立の株価には大きな変化がなかった。説明した成長シナリオと、株式市場からの評価とのかい離をどう捉えるか」。会見ではこんな質問も出た。ライバルと目する独シーメンスに時価総額で3倍以上の差をつけられている日立。ルマーダと送配電網の相乗効果を絵に描いた餅で終わらせないことが、日立史上最大の買収劇の正しさを示すことになる。

(日経ビジネス 竹居智久)

[日経ビジネス電子版2020年7月3日の記事を再構成]

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