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ソニーCSL北野社長に聞く、AI専門組織設立の狙い

日経産業新聞
コラム(ビジネス)
2019/12/6 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

ソニーは2019年内に人工知能(AI)研究開発の専門組織「ソニーAI」を設立する。日米欧に拠点を構え、世界のAI人材を採用する。同組織の設立を指揮し、日本拠点の代表に就くソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)の北野宏明社長に狙いを聞いた。

ソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)北野宏明社長

ソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)北野宏明社長

 ――ソニーにはR&Dセンターなど研究開発の組織はすでにあります。なぜAI専門組織をつくるのでしょうか。

「AIの技術的な水準が上がってきている。AIの専門家集団を使った方がインパクトが高いものが生まれそうな技術シーズが出てきた。ソニーの事業戦略に沿った形でのAI研究を加速する」

「複数のフラグシップとなるプロジェクトを立ち上げ、事業部と密接に連携しながら研究開発を進める。まずは、画像センサー、ゲーム、ガストロノミー(美食)の3分野でAIを研究する」

 ――画像センサーやゲームはソニーの主要な事業領域です。どのような研究を行いますか。

「画像センサーの事業部門ではエッジで使えるAIを搭載した半導体などの実現の見通しができている。新組織では、AI全体のアーキテクチャー(構造)を研究する。画像を認識してから分類し、意思決定のタスクへとつなげていく。情報処理してロボティクスなどほかのものに広げていく。全体を俯瞰(ふかん)したときに何が必要かを考え、価値の高い技術開発と応用を探る」

「ゲーム分野でのAIの研究も有効だと考えている。AIのテストはチェスや碁などゲームで行われることが多い。同時にゲームビジネスへのAIの展開も考える。例えば、AIプレーヤーなど色々の応用ができる」

 ――「食」という一風変わった分野にも取り組みます。

「様々なことを試そうと思っている。シェフの創造性をサポートすることをしたい。AIがシェフに置き換わるのではなく、AIとシェフが協力して新しいことをする。AIとロボットでないとできないクッキングサービスも考えたい」

 ――AIといっても画像認識から音声認識まで分野は様々です。どの分野に注力するのでしょうか。

「新組織はミッションを実現するために必要な技術を全部投入するというやり方をする。例えば、画像センサーに使うAIには、撮影したものをなんらかの文脈で理解するための自然言語処理と連動させることもあるだろう。コアはAIだが、目的を達成するためにAI以外も取り扱う」

 ――新組織の規模は。

「人材はほぼ外部からの採用となるが、最大で何人などの規模は想定していない。プロジェクトごとに必要な人材を集める形になる。人数よりはクオリティーの高い人に来てもらうことが重要だ」

 ――AI人材は獲得競争が激化しています。

「プロジェクトが面白いことが重要となる。研究成果を世の中にインパクトのある形で還元していくこと。これが優秀な人材にとっての魅力となる」

「人材は各地に分散しているので、全員に『日本に来てください』というのは難しい。拠点は日米欧に設置し、将来的にはアジア地域に広げることもありうる。1つの拠点に物理的に集まる必要はなく、リモートで仕事することもありえる。リモートでもチームで仕事することはできる」

 ソニーが人工知能(AI)専門の組織を設立する背景には、AIの活用範囲があらゆる領域に広がっていることがある。新組織でフラグシップに掲げた事業以外でも、タクシーの需要予測や犬型ロボット「aibo」などAIを使った事業を幅広く展開している。
 北野宏明社長は「今後はピュアな学術研究の成果をビジネスに実装するときの質が問われる」と語る。
 ソニーは今回の新組織とは別に、インドでAI関連の研究開発の拠点網を築く。インドの大学や研究施設が集積している複数のエリアに拠点を設ける考えだ。インドの映画産業「ボリウッド」に代表される映画など同社が注力するエンターテインメントの領域でのAIの活用方法を探る。
 一方、AI人材は米グーグルなど「GAFA」と呼ばれる海外IT(情報技術)大手やスタートアップとの争奪戦が激しい。ソニーは国内で2020年度からITの高度な技術を持つ人向けに年収1100万円以上を支払う制度を設けるが、他社も高額報酬での技術者の取り込みに躍起だ。お金だけでなく、魅力的な研究開発のテーマを出し続けることが勝ち残りのカギとなりそうだ。
(企業報道部 広井洋一郎)

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