三菱重工が出資したモノリス社が米国ネブラスカ州で運転中の商用規模プラント
三菱重工業は30日、水素製造技術を手掛ける米国のスタートアップ、モノリス社(ネブラスカ州)に出資したと発表した。出資額は非公表だがマイナー出資。同社はこれに先立ちオーストラリアで水素製造の事業を手掛ける企業への出資を発表している。水素製造のノウハウを蓄積し、水素関連事業の商用化を進める。
出資したモノリスは、天然ガスなどに多く含まれるメタンから水素と固体炭素を取り出す「プラズマ熱分解」と呼ぶ先進技術を持つ。天然ガスを直接熱分解することで、水素製造過程で二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンな水素や利用価値の高い固体炭素などを製造できるという。
モノリスは現在タイヤ産業地域に近い米国中部のネブラスカ州に本拠地を置く。タイヤなどの原料となる固体炭素と水素を二酸化炭素(CO2)の排出を抑えつつ生産できる。ネブラスカ州でカーボンブラックを年に1万4000トン製造できるプラントを実証稼働しているほか、同18万トンの生産容量を持つ商用プラントの建設計画も進む。
コロナ禍で航空機部品などの市場が縮小する中、三菱重工は今後、水素技術などを含むエネルギー事業で新たなエネルギーに軸足を置く。エネルギー分野の成長・新領域に、2021~23年度で2000億円と、18~20年度の2倍以上の金額を投じる。オーストラリアでは水素やアンモニアの製造などの事業を手がける現地企業にも出資した。
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